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2008年10月

2008年10月29日 (水)

Southwestern Cuisine

Iron Chef の Bobby Fray は、NYC 生まれのアイルランド系4世だそうですが、その cooking style は、Wikipedia によると Spanish, Mexican, and Southwest だそうです。この Southwest という cooking style は時として目にするのですが、一体どんなものか、分かるようで分からないでいました。メキシカンぽいカリフォルニア料理? とか漠然と考えていました。

Wikipedia によると、Southwestern cuisine とは、アメリカ南西部の田舎料理で、スペインからの入植者、カウボーイ、Native Indian およびメキシコ人が食べていたものが混ざり合ったものだと記されています。そして、Southwestern は、メキシカンに似ているけれども、メキシカンに比べて肉のカットが大きい、臓物・脳その他アメリカではあまり好まれない部位をあまり用いないなどの点で異なるそうです。一方類似点としては、スパイスの使い方(特にチリ・チリパウダー)や様々に調理された豆を添える点などがあるそうです。Southwestern に特徴的な料理としては、Chili con carne、fajita など、また chiles rellenos(スタッフドチリペッパー)、ステーキとチリペッパーの組み合わせなどがあると書いてあります。その他の Southwestern 料理には、salsa、burrito、rice and beans、tacos、nachos、chimichanga などがあるとのことです。

と言うことは、逆にメキシカンでは臓物系も食べるわけか、と思って本来のメキシカンを調べてみました。

現在のメキシカンは、アステカやマヤなど古くからの伝統に基づいているが、スペインからの入植者がもたらした料理と融合したものである。例えば quesadilla は、チーズ(多くの場合、Queso Fresco または Queso oaxaca などの柔らかい田舎チーズ)、ビーフ、チキン、ポークその他のもので作った小麦粉またはトウモロコシ粉のトルティーヤである。Quesadilla の素材のうち、メキシコ本来のものは、チリペパーであるが、これは多くの伝統食に用いられている。これらのメキシコ料理はチリペパー、グリーンペパー、ブロッコリ、カリフラワー、ラディッシュ等の非常に多くの野菜と肉を用いるため非常にカラフルである。

ひとくちにメキシコと言ってもやはり当然地方色があるようですが、中央部の特徴ある料理のひとつに、barbacoa というものがあるようです。これは、牛の頭部を時間をかけて調理したものだそうです。そう言えば、Authentic Mexican の店に行ったとき、beef heart を焼いたものが非常に美味でした。しかし頭部や心臓は、確かにアメリカ国内では好まれないでしょう。本来のメキシカンはこうしたものも含むようです。

さて Southwestern に戻りましょう。では、Tex-Mex とは何が違うのか? 答えは、「テキサス、ニューメキシコ、アリゾナ以外では、Tex-Mex と Southwestern は同義である」だそうです。
が、Tex-Mex とは、もともとテキサスおよび南部の州で用いられていた単語で、アメリカ国内の食材とメキシカンに影響を受けた Mexican-American とを融合したアメリカの地方料理を指す単語だったようです。Tex-Mex は、本来のメキシカンと類似点もあるしそうでない点もあるけれども、テキサス州内では単に「メキシカン」と呼ばれているらしいです。

Wikipedia の日本語版では、「テキサス州外では、テクス・メクスとはアメリカ化された、低品質のメキシコ料理もどきを指す言葉である」という記載があり、ちょっと驚きましたが、英語版ではそのような記載はなく、また日常生活でも、Tex-Mex レストランはちっとも低品質ではありません。毎日繁盛しています。Bethesda に割りと贔屓にしている店があるのですが、これは Zagat(2008)で19 点とあまり芳しくなく、またメトロ DC 全体でもトップは 22 点と、うーん、というところです。決して低品質ではないけれども、カジュアルであるのは間違いないかも知れません。

上の点以外は現在の日本語版はほぼ英語版の翻訳になっているようなので一部抜粋すると、

テクス・メクス料理はメキシコ料理と共通の素材を使用することが多いのにも関わらず、メキシコではあまり使われないものがよく加えられる。テクス・メクス料理には主に大量の肉(特に牛肉)とチーズ(チェダーチーズやモンテレージャックチーズ(Monterey Jack)等)、ヘッドレタスそして香辛料を使用する特徴があり、ナチョス、トルティーヤをパリッと揚げたタイプのタコスやチャルーパ、チリコンケソ、チリコンカーン、チリグレイビー、ファヒータ、タコサラダなどはテクス・メクスだけに見られる料理である。またレストランでトルティーヤ・チップス(tortilla chips)とサルサがアペタイザーとして出されるのも、テクス・メクス料理独特の習慣である。

だそうです。なるほど確かにレストランのアペタイザーはその通りです。

Tex-Mex または Southwestern がどんなものか大体分かりました。しかし・・・ Bobby の料理がそれに該当するとはちょっとピンと来ません。改めて Bobby の店 Mesa Grill の HP を見てみると、

Bobby Flay developed his signature style of American cookery, marrying the flavors of southwest with his love of grilling at Mesa Grill.  From fiery and cool to sweet and tart, Bobby deftly combines zesty wet and dry rubs, bold sauces along with creative and timeless techniques.  From Spice Rubbed New York Strip Steak with House-Made MESA Steak Sauce to Chile Relleno, dining at Mesa Grill continues to electrify diners year after year.

だそうです。New York Strip などがあるから妙な感じを受けるのですが、ただの New York Strip ではなくて Spiced Rubbed なわけですね。Chile Relleno などがあるあたりは確かに Tex-Mex。NY 店の夜のメニューを見てみると、

ANCHO CHILE-HONEY GLAZED SALMON with a Spicy Black Bean Sauce, Tomatillo Salsa + Roasted Jalapeno Crema

NEW MEXICAN SPICE RUBBED PORK TENDERLOIN with Bourbon-Ancho Chile Sauce + Sweet Potato Tamale with Crushed Pecan Butter

ANCHO CHILE RUBBED CHICKEN with Roasted Tomatillo Sauce + Queso Fresco

GRILLED MAHI MAHI with Roasted Pineapple-Cascabel Chile Sauce + Caramelized Pineapple-Green Onion Salsa

MANGO + SPICE CRUSTED TUNA STEAK with Green Peppercorn-Green Chile Sauce + Toasted Pinenut Cous Cous

GRILLED LAMB PORTERHOUSE CHOPS with Concord Grapes, Cilantro, Mint, Pine Nuts + Pumpkin Tamale with Allspice Butter

SIXTEEN SPICE DUCK BREAST with Carrot-Habanero Sauce + Chorizo-Goat Cheese Tamale with Thyme Butter

GRILLED RED SNAPPER with Red Chile-Tomato Sauce, Crushed Avocado + Barbequed Red Onion

GREEN CHILE CIOPPINO with Lobster, Scallops, Snapper + Mussels, served with a Blue Corn Stick + Scallion Butter

CORNMEAL CRUSTED CHILE RELLENO filled with Roasted Eggplant + Manchego Cheese with Sweet Red Pepper Sauce + Balsamic Vinegar

というようなことになっています。改めて見ると、確かに Southwestern inspired ということは言えそうです。ちなみに殆どの肉料理に使っている ancho とは、"a dried poblano pepper, reddish-brown in color, used esp. in Mexican cooking" というものです。Bobby は良く料理番組で、"I like cumin" と言いながらクミンを多用します。クミンは地中海東部から東インドにかけての原産のようで、実際インド料理の基本スパイスのようなものなので、本来メキシコには縁がなかったとは思うのですが、現状では "Today, cumin is identified with Indian, Tex-Mex, Cuban and Northern Mexican cuisine" ということになっており、確かにこれを使うと インドぽくなる以外に、Tex-Mex ぽくなるのも事実です。

先日アリゾナに行って来ました。テキサスではありませんがほぼ本場。そこで "regional" やら "Southwestern" を何回か食べましたが非常に美味でした・・・

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2008年10月15日 (水)

Comfort Food

こちらに来てから comfort food という単語を知りました。聞いた瞬間、いい言葉だな~と思いました。Comfort food がおいしいかどうかということよりも、単語そのものの響きも意味もいい言葉だと思ったのです。

さてその comfort food とはどんなものか、例によって Wikipedia で調べてみました。

Comfort food とは、家庭で調理されるか、カジュアルなレストランで供される家庭的でシンプルな料理である。

とのことです。そして

Comfort food は基本的に安価で、単純で、調理が容易である。Comfort food に親近感や安心感、またはご褒美のようなものを感じる人が多い。ある料理が comfort food と目されるには色々な理由があるが、子供のころの楽しい思い出と結び付いていることが多い。小さな子供はある特定の食べ物や飲み物を特別に好きになることが多く、それは security blanket(いつも持っているお気に入りのボロ布)のような働きをし、高度のストレス状態におかれると決まってねだる。大人になっても同様の感覚で食べる。

Comfort foods は多くの場合、単一または複数種の炭水化物を用いる。例としては砂糖、米、小麦等である。

個人の好みによって色々な食べ物やスナックが comfort food になる可能性があるが、一定の文化圏内では広く共通に認識される comfort food もある。Mushed potato、トマトスープなどは一般的に広く comfort food であると認識されている。心理学ではこういったものを comfort food と認めない人たちを "low-comfort" な人であると看做すことは極めて一般的である。

Comfort food は昔から diner やカジュアルなレストラン、家庭料理の人気メニューである。従来から本物であり低コストでなければならないことが重要とされて来た。しかしながら近年の動向では、多くのシェフが American cuisine のルーツを探ったり、American cuisine を独自のスタイルであると看做したりするようになったため、より慎重に調理・プレゼンテーションを行い、高品質で新鮮なオーガニックの材料を用いるような、fine dining comfort food restaurant が出現してきており、価格も上昇している。

だそうです。でも、肝心のことが書いてありませんでした。具体的にどんなものがアメリカ人の comfort food なのか・・・?
これには同ページから外部リンクが貼ってありました。イリノイ大学で行った調査のようで、性別による comfort food の違いのようなことが書いてあります。

男性にとっての comfort food は母親が作った料理と関連が深く、mashed potato、パスタ、肉料理、スープなどであり、アイスクリームを除くスナックや菓子であることは少ない。

マッシュポテト、肉料理(ステーキやミートローフなど)、スープは他のサイトでも良く見受けられました。では女性にとってはどうでしょうか。

しかし男性にとっての comfort food は、女性にとっては「労働」である。成人女性は男性のために作った暖かい料理を自分で食べることには通常慣れ親しんでおらず、また子供たちも女性を「主たる料理人」と見ているので、女性は心理学的な安らぎを、もっと手間のかからないもの、例えばチョコレート、キャンディ、アイスクリーム等から得る傾向がある。実際に自らを「チョコレート中毒」と申告した人の 92%は女性であった。

なるほど~。やっぱり、スナックや菓子類を除いた、comfort food としての「料理」は、やっぱり男性から見た「お袋の味」系なのですね。

その他、悲しいときに食べたくなるものや、楽しいときに食べたくなるもの、また何か「自分にご褒美」というときに食べたくなるものは人それぞれではあるけれども必ずあると書いてあります。Wikipedia にも同様のことが書いてありましたが、分かる分かる。
また自分の存在感と直結する食べ物もある、とのことです。例えば多くの男たちにとって T-bone steak は「強く、純正のアメリカ人」である証なのだそうで、これが豆腐ではそうはいかないとか。
なるほど食べ物と言うのは、自分自身の心の動きや、体面とまで結びついているわけですね。そりゃそうだ。

またある人は「その時の気分や、冷蔵庫に何があるかによるけれども」とした上で、ストレスを和らげる料理として次のようなものを例示しています。

Mac and Cheese not from the box
Chili with onions and cheese on the top
Scalloped Potatoes with Ham
Eggs over easy with Toast and bacon
Chinese Food and Red Wine

チャイニーズが出てきたのはちょっと驚きましたが、Mac'n Cheese は定番のようです。"Not from the box" というのは、箱から出してチンするだけというものではない、という意味でしょう。Make sense。なるほどだいたいこんなものが comfort food なのでしょう。家庭料理がどんなものか少し想像がつきますね。こちらの子供たちはこういうものを食べて育つのでしょう。

ところで上の Wikipedia、日本では例えばこんなものが comfort food ということを紹介しています。

味噌汁、ラーメン、おにぎり、カレーライス。

ふむふむ。確かにそんなところでしょうか。

ときに Wikipedia に日本語ページへのリンクがあったので飛んでみると、そこは --- 「国民食」のページでした。そしてその例として、

寿司、味噌汁、うどん、すき焼き、コロッケ、ラーメン、カレーライス、肉じゃが

が挙げられていました。なるほど確かに英語版よりも実態に即してますね。Comfort food が「安い」「家庭料理」であることが条件であるとすると、寿司はちょっと違うかなと思いますが、「自分にご褒美」などのときにはうってつけですね。うなぎなどもそうでしょうか。
個人的には肉じゃがなんて最右翼です。もっともこれは「お袋の味」ではなくて自分のレシピでないとイヤですが。

あとは、気分との連動ではなくて体調との連動ですが、二日酔のときはインド風カレーがいいとか。またはうどん。こういうときは讃岐うどんなどではなく、関東風のコテコテの田舎うどんが食べたくなります。と言っても「ほうとう」とか「おっ切りこみ」などのことではなく、普通の東京風ですが上等でないカジュアルで安い麺つゆ(でも市販品は×。要するにごく普通のそば屋の麺つゆ)に、やや茹ですぎの腰のない麺・・・

そうは言ってもこちらではそんな贅沢なことは言ってられません。いつもはなるべくこちら風のものを作って食べてますが、風邪を引いたり胃腸の弱ったときは、別におかゆでなくてもいいですし、日本の品種にも日本産にも拘る必要も全然ありませんが、やっぱり米粒がいいようです。日本人だなあ・・・

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2008年10月 6日 (月)

American Chinese Cuisine

日本で食べられる中華料理は、Japanese Chinese cuisine とでも呼ぶべきもので、概して日本人の口に合うように modify され、あるいは日本で入手可能な食材で作れるように modify されたものだろうと思っていました。現に北京・台湾・香港・深圳などで食べた "本場" の中華料理は、日本で食べるものとやはりどこか違いました。

深圳では筆者に激辛を経験させようと、現地駐在員に悪巧みをされたことがあります、香港のスグ隣だから広東料理がデフォルトだろうと思うのにわざわざ四川料理店に連れていかれ、激辛らしい麻婆豆腐を食べさせられたました。ところがそれは筆者にとっては激辛というほどではなく、駐在員の期待には添えませんでしたが、ちょっと形容しがたいほど美味で、ひたすら驚いて「こんな旨い麻婆豆腐、食べたことない」と言ったところ、「香港でも食えないよ」とのことでした。まあ香港も四川料理の本場ではありませんが、あの香港ですら食べられないというほどの麻婆豆腐じゃあ、旨いわけだと納得した次第です。
まあ日本の麻婆豆腐も、それはそれで好物ですが、同じ料理名でも日中では別の料理と思った方が良いものというのは多いのではないかと思います。

アメリカにも Chinese restaurant は星の数ほどあります。どこも大抵 authentic のようなことをうたっていますが、これまでどういうわけかそれを根拠もなく結構信じ込んでいました。そしてこちらの Chinese restaurant では日本で見かけないメニューを良く見かけるのですが、それは日本の中華料理が本家のものからかなり分化している一方、アメリカの中華料理は本家のものが比較的保存されているからだろうと勝手に思っていました。
何でそんな風に考えたのか分かりませんが、それは間違いであるに決まっていることについ最近気が付きました。アメリカならアメリカ人の口に合うように modify されるに決まっているし、アメリカで入手可能な食材で作れるように modify されるに決まっています。Chop suey が American Chinese cuisine であるのと同様、他にも American Chinese cuisine はあるはずで、それがどんなものか調べてみました。

Wikipedia で American Chinese cuisine なる項目をひくと、次のようなものが書いてありました。

General Tso's Chicken
Sesame Chicken
Chinese chicken salad
Chop suey
Chow mein
Crab rangoon
Fortune cookie
Fried rice

General Tso's Chicken というのは漢字で書くと「左宗雞」となります。そんなメニューは、漢字で書かれても英語で書かれてもさっぱりどんなものか分かりませんが、Wikipedia によると、

アメリカ・カナダの Chinese restaurant でポピュラーで、揚げたチキンを甘辛く味付けたものである。湖南料理と考えられている。出自は不祥であるが、中国本土やその他の中国人居住区でも見かけない。アメリカで発明された料理である。1970年代にニューヨークで湖南・四川料理として紹介されたと考えられている。

だそうです。見た目はこんな感じ。料理は General Tso(左宗棠)の妻により発明されたという説があるが怪しいとのこと。

Sesame Chicken は General Tso's chicken と良く似ているが、タマネギと各種ピーマンを抜き、代わりにゴマをまぶしたものだそうです。湖南料理の流れを汲むとのことです。こちらは「芝麻雞」と書きます。「左宗雞」と違って材料名が書いてあるのでどんなものなのか見当がつきやすいと言えるでしょう。

Chop suey は前回書きました。

Chow mein が American Chinese とは知りませんでした。まあ焼きそばですので日本にもあるのは言うまでもありません。Wikipedia では

Authentic chow mein is generally made of soft noodles, whereas chow mein in Westernized Chinese Cuisine may also be made from thin crispy noodles.

とありますが、一方で

There are two kinds of chow meins available in the market: 1) Steamed chow mein, and 2) Crispy chow mein. The steamed chow mein has a softer texture while crispy chow mein is crispier and dryer.

という記載もあります。日本語版では

日本では中華焼きそばの一種として知られているが、これら揚げた麺を使ったものを中国語で炸麺と呼んで炒麺とは区別する。

色々総合すると、American Chinese と言う割には、それを何と呼ぶかは別にして、本国にも近いものはあるように見えます。

Fried rice がどうして American Chinese なのかちょっと解せません。日本にもあるのは言うまでもありませんが、本国にだって当然あります。香港では地元スタッフがわざわざウェイターをつかまえて作らせた裏メニューの fried rice を食べたこともあります。香港なら街の食堂でも必ずと言っていいほど置いていると思います。
"Fried rice is a common staple in American Chinese cuisine, especially in the westernized form sold at fast-food stands." とありますが、ファーストフードのテイクアウト用に用いるのは確かにアメリカっぽいかも知れません。

さて次は American Chinese ですが regional なものだそうです。American Chinese にまで regional foods があるんですか・・・

Chow mein sandwich:焼きそばパン! MA 南部および RI の名物。
Chop suey sandwich:chop suey をハンバーガーのバンズに挟んだもの。MA 北部沿岸の名物だが、現在でもこれを供するレストランは Salem の Salem Willows Park にある"Genghis Salem" and "Salem Lowe" のみ。
St. Paul sandwich:普通の白いパンに挟んだ Egg foo young (芙蓉蛋)。St. Louis, MO の名物。

Americanized versions of native Chinese dishes というのも当然色々あるようですが、その中から一部を抜粋すると、

Egg foo young
Egg roll
Kung Pao chicken
Lo mein
Moo shu pork

などが特徴的でしょうか。

Egg foo young は上に書いたとおり芙蓉蛋です。

Egg roll は 要するに spring roll(春巻)ですが、本場バージョンが薄目の皮にきくらげなどを入れるのに対して、厚めの皮に野菜類を入れるのが違うようです。

Kung Pao chicken は「宮保雞」と書きますが、これまで分からなかったものの代表格です。これは、有名な四川料理なのだそうですが、日本では全くポピュラーでないと思います。四川風肉野菜炒めで、ピーナツかカシューナッツを入れるそうですが、特徴的なのはたっぷりの花椒(Zanthoxylum piperitum、Z. simulans、Z. schinifolium)を使うことだそうです。アメリカでは 1968 年から 2005 年まで花椒の輸入が禁止されていたため、アメリカ版の Kung Pao chicken では花椒を使わないのが特徴だそうです。このため四川版よりはマイルドのようです。それと、アメリカでは chicken のみならず beef、pork、seafood、tofu、vegi、spaghetti など幅広く使われているようです。

Lo mein については以前書きました

Moo shu というのは「木須」と書いて、これも pork のほか beef、chicken、vegi など色々の食材を用います。もともとは中国北部の料理であったようで、原型では豚挽き肉とスクランブルエッグ、きくらげの薄切りと day lily の芽をゴマ油(and/or ピーナツオイル)で炒めたもので、竹の子が入ることもあるようです。味付けはショウガ、ニンニク、スカリオン、醤油、黄酒など。出来上がりはこんな感じ。 アメリカ版では、キャベツ、スクランブルエッグ、ニンジン、day lily の芽、きくらげ、スカリオン、もやしなどが使われて、シイタケ、チンゲンサイ、きぬさや、グリーンパプリカ、タマネギ、セロリなども使われるそうです。そして黄酒の代わりにドライシェリーなどが使われるようです。そして Moo shu pork は、hoisin(海鮮)ソースと、moo shu pancake(木須餅)と呼ばれるトルティーヤのようなラップが合わせて供されるとのことで、ラップにソースを塗り、具を包んで食べるそうです。

これらのうち Kung Pao chieken と Moo shu pork がこちらに来て初めて知った料理です。その他は、日本とは名称等が若干異なったり、似て非なるものだったりしますが、「雰囲気は分かる」料理です。しかしいずれにしても今日始めてどんなものか確認できました。

ところで American Chinese cuisine は、今はそうでもないのでしょうが、"Chinese restaurant syndrome" という単語があるほど MSG(mono sodium glutamate、グルタミン酸ナトリウム、味の素)を大量に使う(使っていた)ことで有名です。今では消費者が嫌がるので "MSG Free" を売物にするレストランも珍しくないようです。

今度少し気をつけてみよう・・・

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2008年10月 3日 (金)

Chop Suey

Wikipedia で American cuisine のカテゴリに入る項目の一覧を眺めていたら、ふと目にとまった項目がありました。American chop suey と言う項目です。チャプスイという料理は日本で食べたことがないのですが、単語だけは聞いたことがあります。確か「美味しんぼ」で見たような気が・・・と思ってちょっと調べてみたら第2巻にありました。なつかしい・・・

東西新聞の文化部一行が横浜中華街を訪れたときのこと。女性陣がガイドブックで調べた有名店へ。山岡は思いっきり気乗りしていなかったが、散々並んでいやいやながら店内へ。そこで

店員:あんたたちあっちのテーブルねっ。早く席についてよ。忙しいんだからッ!

と横柄な店員。カウンターの向こう側には腕を組んで威張りきった態度の男。店主か。料理が出てきて、

山岡:取り皿が足りないんだけど・・・。
店員:うちはみんな一人一枚でやってもらうことになってますから。
山岡:ゴマソースの物もチリソースの物も同じ皿で取れって言うのか!!

無視する店員。

家族連れの客:チャプスイメンと五目ソバとわんたんめんと・・・、
店員:メン類はバラバラに注文しないで。
家族連れの客:え?と言いますと・・・。
店員:メン類は安いんだから何種類も注文されると面倒なの。1グループ1種類にしてくれないと受けられないわけ。

その家族連れは仕方なく五目ソバを四つ注文。それを聞いていた山岡がキレる。

山岡:行こう、出るんだ!!
ゆう子:え?
花村:出るって・・・。
田畑:まだ、何も食べてないわ。
山岡:こんな店では何も食べちゃいけない。美味いとかまずいとかという以前の問題だ。マスコミに取り上げられたくらいでいい気になって、客を粗末にするような人間の作るものは、食べる価値がない!!

実はこのチャプスイメン、筆者は今日の今日までどんなものか知らずにいました。ウィキペディアで調べると実にまあ色々なことが書いてあります。

チャプスイ(広東語 雜碎、英語 chop suey)は、アメリカ式中華料理のひとつ。
広東料理の炒雜碎(チャーウチャプスイ)がもとになった料理で、豚肉、鶏肉、タマネギ、シイタケ、モヤシなどを炒め、そこにスープを加えて煮た後に、水溶き片栗粉でとろみをつけたもの。独特の材料として、トマトやハムが入る事もある。そのまま食べるほかに、白飯や中華麺にかけて食べる。 ほぼ八宝菜に似た料理であるが、店や地域によって相当な違いがある。

具体的にどんな料理なのか、クックパッドでレシピを調べてみたら、こんなのがありました。

ポーク・チャプスイ(chop suey)

投稿者自ら「米国育ちの中華料理です。『中華丼とどこが違うの?』と訊かれると辛いのですが、在り合わせの野菜で簡単に出来る速攻メニュー」と書いてありますが、まさに中華丼です。敢えて違いを見出そうとすれば、中華丼と違ってうずらの卵やベビーコーンが入らないところや、逆に中華丼なら醤油が前面に出ないところでしょうか。え? それじゃ八宝菜? ウィキペディアに書いてある通りですね。または、炒め煮にしてトロミをつけた野菜炒めと言えばだいたいアタリだと思いますが、だとすれば、とりたててこのようなレシピを見たわけではないのに、日本では日常的に作ってました。なるほどあれがチャプスイか。そしてそれをご飯か麺にかけるわけですね。確かに中華丼とか野菜あんかけそばみたいなモンになりますね。きっとチャプスイメンとはそんなようなものなのでしょう。でも五目あんかけとの違いが分からない・・・ 実際の上の店では双方のメニューがあるようですが・・・

ところでこのチャプスイ、起源についてはいくつか説があるようですが、アメリカ生まれということは確かなようです。
銀座アスターのHP によると、銀座アスターの開業当時の名物料理はこのチャプスイで、「アメリカの中国料理」と書かれています。そして「インテリアもサービスも、斬新なアメリカン・スタイルを標榜」していたとのことで、これは創業者がアメリカに造詣が深かったことによるようです。銀座アスターがアメリカ志向の中華料理店だったとは知りませんでした。

そこで今度は英語版 Wikipedia で見てみると、

Chop suey (Chinese 'mixed pieces') is an American-Chinese dish consisting of meats (often chicken, beef, shrimp or pork), cooked quickly with vegetables such as bean sprouts, cabbage, and celery and bound in a starch-thickened sauce. It is typically served with rice but can become the Chinese-American form of chow mein with the addition of deep-fried noodles.

だいたい日本語版と同じですが、使う材料が微妙に違ったり、英語版では炒麺が出てきます。また英語版には "Chop suey is part of American Chinese cuisine" と書いてあります。起源についても触れられていますが、日本語版よりもかなり多くの説が掲載されています。
出来上がりの写真は、こんな感じで、だいたい日本バージョンと同じと思ってよいでしょう。

具体的なレシピを見てみましょう。日本のクックパッドのようなサイトに allrecipes というのがあり、筆者も良く参考にしていますが、その中にこんなレシピがありました。

Chop Suey

日本には豚コマがあるけれどもこちらにはないとか、その他食材の availability の差が反映されていますが、基本線は日本バージョンと同じです。読者のレビューがあるのもクックパッドと同じですが、その中に

I was looking for my moms chop suey recipe, and couldn't find it. I looked on here, and this is the same one! It's delicious! I did use a can of chicken soup stock along with the water though, and added more ground pork.

というようなコメントがあって面白いです。「いつもお母さんが作ってくれて好きだったのに、どうしてもレシピが見つからなくて作れずにいたけど、やっと見つけた! まさにこれです!」てなところですね。いつも作ってくれたお母さん・・て中華系の家族なのでしょうか。

さて、この chop suey、Wikipedia にある通り、"American Chinese cuisine" です。アメリカ風中華料理というべきか、中華風アメリカ料理と言うべきか・・・ California roll はアメリカ風日本料理というべきか、日本風アメリカ料理と言うべきか・・・? まあとにかく chop suey 自体、"American Chinse cuisine" なわけです。そこで冒頭に戻るワケですが、では、"American chop suey" とは何ぞや?

アメリカで生まれた chop suey をいったん第三国に輸出し、それをまた逆輸入して再度「アメリカ風」にアレンジしたもの? 第三国と書いたのは、アメリカおよび中国以外という意味です。中国がこんな「なんちゃって中華料理」を輸入するはずがないと思ったからです。で、ものはついでに Wikipedia の中文バージョンを見ると、「雜碎(chop suey)是盛行於美國和加拿大的美式中菜,・・・」となっていて、とにかく「美式中菜」(アメリカ式中華料理)と認識されているようです。

Chop suey は南米でもポピュラーらしく、チリ在住のとある日本人のブログによると、「チリでは中華といえばチャプスイが King Of 中華。デファクト・スタンダード」で、「旅行者の諸氏は、迷ったらまず中華系レストランに赴き、自然な動作と作法で「ケーロ・チャプスイ!」と注文すれば、擬似中華の素敵なワンダーランドが机上に大展開!」なのだそうです。でもこれは別にチリが第三国として有力であるという話ではありません。当然日本でもありません。というより、輸出して逆輸入という仮説がナンセンスです。ではその American chop suey を Wikipedia で見てみましょう。

American Chop Suey (also American Goulash, Chili-Macaroni, Chili-Mac, Mac 'n Beef, Macaroni and Beef, or simply Macaroni) is an American pasta dish. The preferred name and recipe varies by region, for example, the name American chop suey is most prevalent in New England. Commercial preparations of this dish are commonly marketed as Macaroni and Beef.

Classic American chop suey consists of elbow macaroni and bits of cooked ground beef with sautéed onions and green peppers in a thick tomato-based sauce. Though this decidedly American comfort food is clearly influenced by Italian-American cuisine, it is known as a chop suey because it is a sometimes-haphazard hodgepodge of meat and vegetables.

・・・。なんと言うか・・・ 日本で言えばマカロニミートソースですな、これは。本文中にもちゃんと  Italian-American cuisine と書いてあります。味付け次第では、やはり本文にありますが、Chili-Mac でもありますし Mac'n Beef でもあります。Mac'n Cheese のチーズ抜きとも言えます。
そしてこれが chop suey と呼ばれる理由は、肉と野菜のごった煮である点が共通しているからとのこと。

本文中にある Goulash も気になったので見てみました。元はハンガリー料理で、"usually made of beef, red onions, vegetables spices and ground paprika powder" だそうです。この記載はミートソースのようにも解釈できますが、実際は挽き肉のソースではなくブツ切り肉のシチューという感じです。それがアメリカに来ると上で書いたようなものに変形していて、元のハンガリー料理とはかなり違うものになっているとのことです。

ではその American Chop Suey のレシピの例を、allrecipes から見てみましょう。

American Chop Suey

予想はしていたものの、馬鹿馬鹿しいと言うか何と言うか・・・ スパゲティミートソースそのものです。でもここで言っているスパゲティとは、あの細長いスパゲティ(太さ2mm弱)のことではなく、多分 elbow macaroni のことでしょう。だって缶詰ですから。
アメリカにはイタリアンレストランは実に多いのに、Italian cuisine に関しては相当アバウトです。細長いパスタは本来太さによって、スパゲトーニ、スパゲティ、スパゲティーニ、フェデリーニ、ヴェルミチェッリまたはカペッリーニと呼び分けるのに、アメリカでは一括して、しかもマカロニまで含めてスパゲティと呼ぶことがあります。ゆで方にしてもアルデンテという概念はないに等しいようです。だって缶詰ですから・・・

余談ですが。こちらでは有名なイタリアンレストランですら、アルデンテのパスタにお目にかかることは極めて稀です。これは日本人からすると実に驚くことなのですが本当です。「アルデンテで」とオーダーしても over cooked のパスタが出てくるか、そもそも通じないことすらあるようです。
日本人が拘りすぎなのでしょうか。1億総グルメ状態なのでしょうか。本場イタリアではどうなんでしょうか?
ではイタリアで食べたパスタはどうだったか・・・と思い出そうとしましたが、思い出せません。イタリアではパスタは antipasto と primo の間に食べるものなのですが、本当にそこでパスタを食べてしまうと primo に進めなくなってしまうので、いつも省略していたのでした・・・

今度 Maestro にでも行って敢えて試してみようかな・・・

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