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2008年9月22日 (月)

Deviled Food

オードブルに deviled egg という料理があります。固ゆで卵を作り、上下半分に切り、黄身を取り出します。黄身をマッシュし、ペースト状にしたものに各種味付けをして、白身の空洞部分を器に見立てて盛り付けたものです。エスカルゴを供する皿に似た、専用の皿も売られていて、誰でも知っている料理と言えるでしょう。昔からどうして deviled と言うのか疑問に思っていましたが、今日まで調べてみることはありませんでした。

それと、deviled ham という料理(缶詰)があります。これはハムをみじん切りにして様々な味付けをしたもので、ディップとして使ったり、サンドウィッチやケサディーヤ、ラップ類にスプレッドとして使います。缶詰の表面には可愛い悪魔が槍を持って立っている絵などがあしらってありますので、シャレでない限り、この devil というのは悪魔のことであるようです。しかしこれも deviled egg と同様、どういういわれがあるのか知りませんでした。

さてふと思い立って deviled egg を Wikipedia で調べてみました。

フランス、ハンガリー、アメリカでは deviled egg または egg mimosa と呼ばれ、またドイツでは Russian Egg と呼ばれてポピュラーな料理である。が、おおもとはローマに起源を発する。
固ゆで卵を作り、冷えてから休日、パーティのサイドディッシュとして供されるのが一般的である。イースターで子供たちが拾った卵の使い道にもなる。アメリカでは中西部から南部にかけて一般的な料理で、特に夏のオードブルとして供される。専用のサービング皿などがあることでも知られる。現在ではスーパーマーケットでも売られている。

とまとめられています。大まかな作り方は冒頭に書きましたが、黄身にまぜる調味料としては、次のようなものがあるようです。

マヨネーズ、マスタード、タルタルソースなどがメイン。その他にはピクルス、薬味類、砂糖、塩、コショウ、酢、オリーブ、ピメント、ポピーシード、タマネギのみじん切りなど。フランスではグリーンパプリカやパセリなどもポピュラー。仕上げにパプリカを散らす。

色々なパーティで食べてみたり、ごくたまにスーパーマーケットで買ってみたこともあります。マヨネーズが普遍的な材料であることから少し酸味とコクがあることはだいたい共通していますが、当然ですが店によって味が違います。まあ非常に旨い deviled egg というのも食べたことはありませんが、料理としては、見た目の面白さからパーティのオードブルに良いというのはそのとおりだと思います。

ちょっと余談ですがタルタルソースを用いるというのは随分無茶な話じゃないでしょうか。タルタルソースとは、マヨネーズにゆで卵のみじん切りその他をブレンドしたソースじゃないか、と。つまり卵の味付けに卵を使うというのはいくらなんでも・・・ と書こうと思って、tartar sauce を Wikipedia で調べてみたら、

タルタルソースは、マヨネーズに、ピクルス、ケッパー(本当はケイパーなのに日本ではこう呼びますね)、タマネギ(またはチャイブ)のみじん切りを加えた白い濃厚なソースである。固ゆで卵、オリーブ、ホースラディッシュが加えられることもある。通常ディジョンマスタードが乳化剤として用いられる。

とあります。何と、ゆで卵が入るとは限らない! どうりで Emeril Lagasse のレシピにゆで卵が入らないわけです。それでは自分の記憶が間違いだったのか? と今度は日本のウィキペディアを見てみたら、

マヨネーズに、みじん切りにしたタマネギ、キュウリのピクルス、ケッパー、パセリ、チャイブなどの野菜、同じくみじん切りした固ゆで卵などを混ぜ込んだ白い濃厚なソース。オリーブのみじん切りやホースラディッシュ、ディジョン風マスタードや酢を加えることもある。

殆ど同じですが、微妙に違います。日本では固ゆで卵までが標準のようです。間違ってなかった・・・

さて deviled egg の名前の由来ですが、次のようなことが書いてあります。

1868年に William Underwood Company が挽いたハムを辛い調味料で味付けした新製品を試験的に販売し始めた。商品群はチキン、ターキー、タン、ロブスター、ハムを含む肉製品である。Underwood はこの調味プロセスを "deviling" と命名し、Underwood の "red devil" が生まれた。ちなみにこれは 1870 年に米国商標第 82 号として登録され、現在でも使われている食品の商標のうち、最古のものである。Underwood devil は商標ではあるが、"deviled" という単語は、"deviled egg" のように、ピュレにした食品をディジョンマスタードなどの辛い調味料で味付けしたものを指すようになった。

ということだそうで、

現在では deviled egg には上で書いた材料以外に、ガーリック、ホースラディッシュ、わさび、チーズ、チャツネ、サルサ、ホットソース、マッシュルーム、ほうれんそう、サワークリーム、キャビア、スモークサーモンなど色々な食材が使われる。そして現在の deviled egg は必ずしも辛くない。

とのこと。じつは deviled ham の缶詰も、ちっとも辛くないのです。これも店・会社によって味は様々かもしれませんが。

Deviled egg と deviled ham。共通点は結局、ピュレまたはみじん切りにして味付けしたということだけのようです。"Deviled" がどういう動作だか分からないわけです。それだけで deviled というのなら、レバーペーストは deviled liver と言えるだろうし、ミートローフは deviled meat だろうし、ポテトサラダは deviled potato で良い理屈になります。何で egg と ham だけ特別扱いなのか良く分かりません。他の食材では実際どうなのか、と思って Google で軽く "deviled" と入力してみると、deviled egg、deviled ham のほかに、

- deviled tomato
- deviled crab
- deviled clam
- deviled chicken drumstick
- deviled sardine

などがヒットしました。まあレシピを作った人の創作である可能性は高いと思いますが。商標が一般名詞に進化することは良くあることですが、そういう経緯だと語源が分かりにくいですね。
近いうち自分で何か deviled 何とかを作ってみよう・・・

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