Ceviche
Ceviche とは柑橘類でマリネしたラテンアメリカの「シーフードサラダ」であると Wikipedia には書いてあります。
日本にもペルー料理店などはあるにはありますが何しろ数が少なく、日本では食したことがありませんでした。四ツ谷のしんみち通りには多くの居酒屋がありますが、ブラジル料理店やペルー料理店などもあって意外と国際色豊かな街で好きでした。ここのペルー料理店には行こう行こうと思っていたのに結局行かずじまいになってしまいました。
こちらではペルー料理店をはじめ、ラテンアメリカの料理店を探すのには苦労がいりません。隣国メキシカンは当然として、キューバ、ジャマイカ、サルバドール、アルゼンチン、ブラジル・・・ が、ペルーが最もポピュラーのようです。
こうしたレストランで Ceviche を食べることが出来ます。
Ceviche の語源は、2説あるそうです。1つはアラブ語の "sikbaj" に由来するスペイン語の "escabeche" (marinade)と語源を共にするというもの。もう1つは "Corvina fish" のペルー語 "Cebo" に由来するというものだそうです。
Cheviche とは冒頭に書いたとおり、魚を柑橘類でマリネする料理ですが、加熱しないことが特長です。魚を柑橘類で「調理する」と表現したシェフもいます。化学的には、酸でタンパク質を変性させるという理屈になります。記憶に間違いがなければ、加熱せずに酸(それも強酸ではなくマイルドなクエン酸)だけで「調理」するため、寄生虫を殺すことが出来ず、感染の可能性があるという情報も見たことがあります。
マリネは、レモンやライムなどの柑橘類を用いるのが一般的で、古典的には3時間以上行いますが最近は「混ぜるだけ」というような場合もあるとのこと。
Ceviche は様々な文化がペルーでミックスされて出来たもののようで、古代ペルーでは "tumbo" (Passiflora mollisima)と呼ばれるペルーの果物の果汁を醗酵させて出来た "Mochica" と呼ばれるものでマリネしたとか。
インカ帝国の時代には、ceviche は chica(トウモロコシやユッカの根などを醗酵させて作った飲料)で調理したそうですが、スペイン人が来てからは、レモン、タマネギなどの古典的な地中海料理の食材が加えられ、さらには日本料理の影響も加わった・・・? と。これらの「混交」の結果が現在の ceviche だそうな。しかし日本料理の影響とは何のことしょうか?
ペルーの ceviche は、生魚のブツ切りに、ライムまたはレモン、時により bitter lemon (naranja agria)、スライスオニオン、ペルーの ají limo (トウガラシの一種)、アンデスの rocoto(トウガラシの一種)を、室温で混ぜ、cancha (または canchita)と呼ばれるトウモロコシ、スライスポテトなどを添えて供するもののようです。しかし地域ごとに特長があるそうで、Lima 等の central coast では ceviche は tollo というサメや Corvina (sea bass)、lenguado というヒラメを用いるそうです。
エクアドルの Quiteño ではエビを用いた ceviche をケチャップ等のトマトソースで作り、Manabí スタイルではレモンや、塩およびエビ自身の汁を使うのが一般的だとか。貝の ceviche もあり、これはボウルに入れてトーストしたコーンとともに供するそうです。その他 Sea bass、タコ、カニも良く用いられるとのこと。Manabí 地方でのみ捕れる spoyndylus(ウミギク)の ceviche は貴重な食べ物だそうです。Spondylus はインカでは神様の贈物なのだそうです。
チリでは hulibut や Chilean sea bass とライム、グレープフルーツを用い、ガーリック、ミントや cilantro なども使うそうです。
メキシコなどの中米ではカクテルグラスに入れ、クラッカーや tostada(トーストしたトルティーヤ)とタコスのフィリングを添えて供するそうです。食材はエビ、タコ、イカ、ツナ、サバなどがポピュラーで、塩、レモン、タマネギ、チリペッパー、アボカド、コリアンダー、パセリを用い、トマトを加えることも多いとのこと。
パナマでは、ライム、塩、scotch bonnet pepper、セロリ、コリアンダーを用い、魚は corvina (white sea bass)がポピュラーで、アペタイザーとして供するそうで、タコやエビを添えることも多いとか。
キューバでは mahi-mahi を使うことが多く、レモン、塩、タマネギ、green pepper、habañero pepper にオールスパイスを用いるそうで、イカやツナを用いることもあるとのこと。
コスタリカでは、ティラピア、corvina、mahi-mahi、サメ、カジキ等がポピュラーで、ライム、塩、コショウ、オニオン、チラントロ、pepper 等を用いカクテルグラスに入れ、レタス、ソーダクラッカーなどを添えてケチャップやタバスコと共に供するとのこと。
そしてフィリピンでは、kinilaw とか kilawin とか言われるようですが、ラテンアメリカの ceviche に良く似た料理だそうで、white coco vinegar、calamansi ライム、チリ、オニオン、bell pepper、塩、ショウガを用いるそうで、魚としては Spanish mackerel やカキ、エビ、シラスも用いるそうです。
Ceviche はフィリピンで発祥して 1565年~1815年にかけての Manila-Acapulco Galleon 通商の間にメキシコ・ラテンアメリカに伝わったのではないかと考えている人もいるようです。
Ceviche は生の魚介類を使うわけですが、マリネする前に火を通す(ポーチまたはフライ)と、escabeche ということになります。両者は語源が共通(ペルシャ語の sikbag という単語で、"acid food" という意味)ではないかという話があると書きましたが、escabeche も冷やして供するもので、冷蔵庫で一晩以上寝かせてから食べるようです。このため缶詰の魚も良く用いられるとのこと。
Escabeche はペルー、プエルトリコ、メキシコ、スペイン、プロバンス等でポピュラーで、フィリピンバージョンもあり、またジャマイカでは "escovitch"、イタリアでは "escabecio"、"scapece" または "savoro"、ギリシャでは "savoro"、北アフリカでは "scabetche" として知られているとのこと。
こちらではスーパーマーケットで普通に手に入る魚は、天然ものだと previously frozen のものが多く、それらは身にしまりがなく、塩焼きのようなシンプルな調理法にするとたいていおいしくありません。仕方なくソテーにしても broil にしても、レモンバターのようなソースで味付けすることになるのですが、たまに気が向いて escabeche ふうにして見るのも悪くありません。一晩マリネというような面倒なことはしませんが、酢やライムをベースに適当な野菜を炒めたソースを合わせると、極めて脱日本的感覚で、うーん、外国にいるな~と実感します。まあ日本でも「甘酢あんかけ」のようなものはありますけれどね・・・
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