Mussels
日本にいるときは、ムール貝を自宅で調理したことはありませんでした。そもそも近所のスーパーで気楽に買えるというシロモノではなかったと記憶しています。ですから値段など調べたことがなかったのですが、どうせ高いものなんだろうと思っていました。
今、国産の生ムール貝のネットショッピングのページを見たら、1kgで 1,200 円と出ていました。別のショップでは同じく1kg で 1,575 円とか。べらぼうに高いものでもないようですが、気楽な金額とは言えないようです。
日本ではレストランで1・2回食べたことがあったと記憶していますが、リピートしようというほど旨かった記憶がありません。こちらに来て、せっかく東海岸なんだから、ということで、どこかのレストランでムール貝のワイン蒸しを頼んだときに、日本での記憶以上に旨いと感じました。
その後、近くのスーパーマーケットで、常時売っていることに気づき、また1袋あたり 3.99 ドルと大変安価なので買ってみました。
レシピは foodnetwork から Bobby Flay のレシピを拝借しました。
面倒なのでシャロットはタマネギで、仕上げのタラゴンはシラントロで代用。これがまあ結構イケたわけです。うーん、自宅でこんなものが食べられるならわざわざ外で注文しなくてもいいというくらいの出来でした。
何度かやってみたあとで、あることに気がつきました。貝の中からヒゲのようなものが何本も生えていて、それが貝の外にまで伸びている個体が少なくないことに気がつきました。きっとこれ、養殖モノで、貝をロープか何かで吊るして養殖するのだろう、そして貝がロープの一旦をくわえこんで、そのまま除去されずに収穫・出荷されたのだろうと思いました。だからきっと植物繊維なのだろう、いずれにしても調理前に出来るだけ除去した方が良さそうだ、ということで引っ張って見ましたが、非常に手ごわい。貝の隙間から除いて見ると、ロープの先は貝の奥深くにまで達していて、無理矢理引っ張ると貝の肉を引き裂いてしまうことになりそうなので、ほどほどにしておくことにしました。取れるものは取るけれど、取れないものは出来るところでやめて置く。
そうすると、出来上がった貝で、そのヒゲが残っていると、食感がとても悪いことが分かり(当然ですね)、しばらくムール貝を自宅で調理するのを遠慮していました。
ところがなんのことはない、ちょっとネットで調べただけであのヒゲはムール貝の「足糸」と呼ばれるものであることが分かりました。ムール貝の下ごしらえの方法は、ネット上に溢れるほどあるのに、今まで見もしなかったとは。
ムール貝はアサリやハマグリとは異なり、岩などに付着して生息するのだそうで、この足糸を付着に利用しているのだそうです。足の付け根に足糸の元になる分泌液(ある種のタンパク質)を分泌する腺があり、付着しようとする相手に足を延ばします。そこで分泌液を分泌すると足に沿って糸状に流れて行き、相手に達します。これが海水に触れると非常に強固な物性に固まるのだそうで、それがこのヒゲでした。これを何本も延ばして付着するので、他の生物がムール貝を捕獲しようとしてもなかなか難しい、とまあそういう目的のものだそうです。
というわけで、人間が下ごしらえでこのヒゲを抜こうとしても、かなり苦労します。場合によってはムール貝の外側にフジツボが付着していることもあるらしく、ムール貝の下ごしらえは「かなり面倒」として知られていることを今まで知りませんでした。
ところで例によって「種」を調べてみると、日本に生息しているのはムラサキイガイ Mytilus galloprovincialis、北米に生息しているのはヨーロッパイガイ Mytilus edulis のようです。ニュージーランド産の冷凍ムール貝を試したことがあり、これが全くおいしくなかったのですが、冷凍であるということのほかに種も違うようです。ニュージーランドのはモエギイガイ Perna canaliculus だそうです。確かに肉も見た目が違います。
英語版 Wikipedia によると、次のようなことが書いてありました。ムール貝は、赤潮による貝毒の心配があるとか。西海岸で温暖な季節が要注意だそうです。またベルギーでは、"r" のつく月(September~April)が旬と言われている・・・? これってカキの話じゃありませんかね?
こちらではカキは一年中生で食べますが、東海岸のムール貝は貝毒の心配もないのでしょうか。カナダ東海岸の Prince Edward Island は海産物で有名ですが、今まで試したのはここ産のものでした。レストランでも一年中出してますし、赤潮が原因と分かっているなら、赤潮の発生しない海域なら問題はないはずで、大丈夫でしょう。
今度は本腰を入れて下ごしらえしてみよう。
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