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2008年5月

2008年5月31日 (土)

Mussels

日本にいるときは、ムール貝を自宅で調理したことはありませんでした。そもそも近所のスーパーで気楽に買えるというシロモノではなかったと記憶しています。ですから値段など調べたことがなかったのですが、どうせ高いものなんだろうと思っていました。

今、国産の生ムール貝のネットショッピングのページを見たら、1kgで 1,200 円と出ていました。別のショップでは同じく1kg で 1,575 円とか。べらぼうに高いものでもないようですが、気楽な金額とは言えないようです。

日本ではレストランで1・2回食べたことがあったと記憶していますが、リピートしようというほど旨かった記憶がありません。こちらに来て、せっかく東海岸なんだから、ということで、どこかのレストランでムール貝のワイン蒸しを頼んだときに、日本での記憶以上に旨いと感じました。
その後、近くのスーパーマーケットで、常時売っていることに気づき、また1袋あたり 3.99 ドルと大変安価なので買ってみました。
レシピは foodnetwork から Bobby Flay のレシピを拝借しました。

面倒なのでシャロットはタマネギで、仕上げのタラゴンはシラントロで代用。これがまあ結構イケたわけです。うーん、自宅でこんなものが食べられるならわざわざ外で注文しなくてもいいというくらいの出来でした。

何度かやってみたあとで、あることに気がつきました。貝の中からヒゲのようなものが何本も生えていて、それが貝の外にまで伸びている個体が少なくないことに気がつきました。きっとこれ、養殖モノで、貝をロープか何かで吊るして養殖するのだろう、そして貝がロープの一旦をくわえこんで、そのまま除去されずに収穫・出荷されたのだろうと思いました。だからきっと植物繊維なのだろう、いずれにしても調理前に出来るだけ除去した方が良さそうだ、ということで引っ張って見ましたが、非常に手ごわい。貝の隙間から除いて見ると、ロープの先は貝の奥深くにまで達していて、無理矢理引っ張ると貝の肉を引き裂いてしまうことになりそうなので、ほどほどにしておくことにしました。取れるものは取るけれど、取れないものは出来るところでやめて置く。
そうすると、出来上がった貝で、そのヒゲが残っていると、食感がとても悪いことが分かり(当然ですね)、しばらくムール貝を自宅で調理するのを遠慮していました。

ところがなんのことはない、ちょっとネットで調べただけであのヒゲはムール貝の「足糸」と呼ばれるものであることが分かりました。ムール貝の下ごしらえの方法は、ネット上に溢れるほどあるのに、今まで見もしなかったとは。

ムール貝はアサリやハマグリとは異なり、岩などに付着して生息するのだそうで、この足糸を付着に利用しているのだそうです。足の付け根に足糸の元になる分泌液(ある種のタンパク質)を分泌する腺があり、付着しようとする相手に足を延ばします。そこで分泌液を分泌すると足に沿って糸状に流れて行き、相手に達します。これが海水に触れると非常に強固な物性に固まるのだそうで、それがこのヒゲでした。これを何本も延ばして付着するので、他の生物がムール貝を捕獲しようとしてもなかなか難しい、とまあそういう目的のものだそうです。

というわけで、人間が下ごしらえでこのヒゲを抜こうとしても、かなり苦労します。場合によってはムール貝の外側にフジツボが付着していることもあるらしく、ムール貝の下ごしらえは「かなり面倒」として知られていることを今まで知りませんでした。

ところで例によって「種」を調べてみると、日本に生息しているのはムラサキイガイ Mytilus galloprovincialis、北米に生息しているのはヨーロッパイガイ Mytilus edulis のようです。ニュージーランド産の冷凍ムール貝を試したことがあり、これが全くおいしくなかったのですが、冷凍であるということのほかに種も違うようです。ニュージーランドのはモエギイガイ Perna canaliculus だそうです。確かに肉も見た目が違います。

英語版 Wikipedia によると、次のようなことが書いてありました。ムール貝は、赤潮による貝毒の心配があるとか。西海岸で温暖な季節が要注意だそうです。またベルギーでは、"r" のつく月(September~April)が旬と言われている・・・? これってカキの話じゃありませんかね?
こちらではカキは一年中生で食べますが、東海岸のムール貝は貝毒の心配もないのでしょうか。カナダ東海岸の Prince Edward Island は海産物で有名ですが、今まで試したのはここ産のものでした。レストランでも一年中出してますし、赤潮が原因と分かっているなら、赤潮の発生しない海域なら問題はないはずで、大丈夫でしょう。

今度は本腰を入れて下ごしらえしてみよう。

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2008年5月12日 (月)

Chicago Dog

今日 Food Network を見ていたら、Chicago style hot dog を話題にしていました。決してケチャップを使わないというようなことを言っていたので非常に驚きました。なんだか相当なこだわりがあるようなので、またちょっと調べてみました。そうしたら、何とまあ・・・拘りの塊のような食べ物だということが分かりました。

Chicago Dog は、シカゴの Maxwell Street にある Fluky's が 1929年に売り出した"Depression Sandwich" に端を発するとされているようです。また今日最も多く使われているブランドの Vienna Beef frankfurters は、1893年に World's Columbian Exposition で売り出されたものだそうです。

さてここからは、そこまで Chicago Dog に入れ込みますか! という、ちょっとオドロキのサイト "Hot Dog Chicago Style" からの引用です。

まず Chicago Dog の"定義"です。

蒸したポピーシードのバンズに 100% ビーフのソーセージを乗せ、トッピングを次の順序で施したものとのことです。そうしないと目的の味にならないのだそうです。

1. Yellow Mustard
2. Bright Green Relish
3. Fresh Chopped Onions
4. Two Tomato Wedges
5. A Pickle Spear or Slice
6. Two Sport Peppers
7. A Dash of Celery Salt

ソーセージの加熱法にも制約があります。決して熱湯で茹でてはならないとか。
蒸気を用いて、75~80゚Cくらいになるまでゆっくりと加熱するのが良いそうです。これが一番良い方法だけれども、グリルや電子レンジもアリとのこと。
Fluky's では、水を加熱し、沸騰したら火を止め、ソーセージを入れて20分ほど茹でるというやりかたを採用しているそうです。
なお、ソーセージのチョイスですが、シカゴの8割以上のホットドッグ屋台では、Vienna Beef Hot Dogs を使っているそうです。

冒頭に書いたとおり、ケチャップは決して使いません。「Chicago Dog」通に言わせると、ケチャップを使うと味が濁るんだそうです。
クリント・イーストウッドの映画 "Sudden Impact"(邦題「ダーティハリー4」)には

"You know what makes me really sick to my stomach? It's watching you stuff your face with those Hot Dogs! Nobody - I mean nobody puts ketchup on a Hot Dog!".

という有名なセリフがあるんだそうです。なお筆者はこの映画を見ていませんが、舞台はシカゴではなくサンフランシスコのようです。

さて食べ物の世界には良く「隠語」というか「符帳」というか、そういうものがありますね。Chicago Dog にもあるんだそうです。

[The Works]
→「全部入り」 "I'll take a Chicago Dog with the works" とオーダーすれば、それは「100%ビーフのソーセージを蒸したポピーシードバンズに乗せ、yellow mustard、bright green relish、onions、tomato wedges、pickle spear、sport peppers and a dash of celery salt の全部をトッピングしてくれ」という意味になります。

[Snap]
→「ソーセージのケーシングを食い破る時の"パキッ"という音」のこと。"It has the nice 'snap'" などと言うと通らしく聞こえます。

[Dragged Through the Garden]
→「Chicago Dog の別名」 野菜たっぷりであることから。

ところで、上に列挙した7種類のトッピングのうち、良く分からないのが

2. Bright Green Relish
5. A Pickle Spear or Slice
6. Two Sport Peppers

ですが、調べてみたら Vienna Beef 社などからそれぞれの製品が出ていることが分かりました。

Bright Green Relish は、Neon Green Relish とも呼ばれますが、Vienna Beef 社の製品では "Chicago Relish" と呼ばれています。要は Cucumber で作ったピクルスですね。

Pickle Spear or Slice は、ディルのピクルスで、Vienna Beef 社のものではありませんが、こんなものがあります。

Sport Peppers は、中くらいの辛さの青トウガラシを漬けたもので、やはり Vienna Beef 社の製品ではこんなものがあります。

ところで neon green relish や sport peppers は、アメリカ人の掲示板でも、「近所を探しましたが見つかりません。どこで買えますか?」という記載を数多くみかけます。さほどにシカゴ限定でしか売られていない製品のようです。ちなみに上のオドロキサイトでは、各材料を色々に変えてみて出来栄えを試した「実験コーナー」があります。
この中で、それぞれの材料がどこで買えるか記載がありますが、それがまた「シカゴ市内のこのマーケット」というレベルで書かれています。

正真正銘の Philly cheesesteak が、Amoroso's Baking Company のバンズを使わなければならないのと同様、Chicago Dog も他都市では買えない地元素材を使わないといけないわけですね。今度シカゴに行く機会があれば試してみたいと思います。

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2008年5月 9日 (金)

Canadian Bacon

スターシェフの Emerill Lagassee が、ときどき Canadian bacon なるものを使います。んー、どんなものなんだろうと思ってあるときスーパーマーケットで探してみたら、見つけました。こんなものでした。
Canadian
どこがベーコンなの? ハムとかそういうのじゃないの? と驚きました。
今日あらためて Canadian bacon とは何ぞや? といつものごとく Wikipedia 等で調べてみたら、その正体が分かりました。

ベーコンとは、ブタのバラ肉または背中の肉を、塩漬けかつ/または薫製したものであるとのことです。他の動物の肉でも同様の製法を用いれば類似のものが作れますが、それはベーコンとは言わないようです。また逆に同じブタでも他の部位の肉を用いればベーコンとは呼ばないようです。
さてバラ肉と背中の肉では随分性格が異なるわけですが、イギリスではバラ肉から作ったベーコンを "streaky bacon"、背中の肉から作ったベーコンを "back bacon" と呼んで区別しているそうです。しかしアメリカでは USDA の定義 "the cured belly of a swine carcass" に従って、バラ肉から作ったベーコンを単にベーコンと呼ぶようです。とすると、背中の肉から作ったベーコンはアメリカでは何と呼ぶか? そう、それが Canadian bacon というわけでした。これが面白いことにご当地のカナダではそう呼ばず、"peameal bacon" と呼ぶようです。この "peameal" という単語、収載語数が自慢の筆者の電子辞書にも、頼りの綱の英辞郎にも収載されておらず、意味が分かりません。

さてこの Canadian bacon、ハムにそっくりと書きましたが、本当にそっくりです。バラ肉と対照的に脂が殆どないように見えます。
別のサイトでは、
In flavor, appearance, and texture, Canadian bacon is closer to ham than it is to bacon. The meat is lean, slightly sweet, and juicy.
と書いてあるとおりです。

"Closer to ham" とありますが、ハムも Canadian bacon も、塩漬けにして薫製にするんなら、部位が違うだけです(いやそれならベーコンも同じか・・・)。肉質が、ハムに用いる loin に近いということでしょう。

Nutrition data を見ると、Canadian bacon を ふつうの bacon に比較すると、スライス1枚あたりの脂は 60% 程度で、また同じ重量同士で比較すると 20% 程度しかありません。その少ない脂も層をなしていないので、ベーコンのようには全く見えません。
ベーコンはフライパンで熱すると脂が溶け出し、自分自身を揚げることになるので、最終的にカリカリベーコンが出来上がりますが、Canadian bacon ではそういうことはありません。ハムをソテーしたのと一緒です。

アメリカでは Canadian bacon の出番はヨーロッパに比べて少ないけれども、それでもピザ・サラダ・オムレツなどのトッピングに用いられると書いてあります。
Canadian bacon のメーカーのサイトでは、スライスしていない塊状の Canadian bacon を厚めにスライスしてサンドイッチに入れたり、塊のままローストして供する方法を紹介しています。やっぱりハムと一緒です。

ところで peameal bacon ですが、サイトによって微妙に説明が違います。Canadian bacon のカナダでの呼び名であるというのが Wikipedia ですが、peameal bacon はピクルスと一緒に塩漬けされて、黄色い cornmeal や豆のクラストが出来る点が違うとか、塩漬けだけされるのであって薫製されないのが peameal だとか。結構細かいところになるとひとそれぞれに理解が違うようです。

しかし、それにしてもターキーで作ったハムのことを普通にターキーハムと呼ぶのに、殆ど違わない Canadian bacon を頑固にハムと呼ばないのはどういうこだわりなんでしょうか・・・

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2008年5月 7日 (水)

Shabu Shabu

とあるパーティで知り合った韓国系の同業他社の知人から、実は韓国に帰任することになったので、近所に来ることがあれば連絡を寄越せ、Korean food のランチでも食べようと誘われました。次に NY あたりに来るのはいつだ? と聞かれて予定を答えました。ではいついつにしようということになり、Edgewater, NJ の Mitsuwa で待ち合わせ、彼のクルマに乗ったところ、「シャブシャブでいいか?」と聞かれました。Korean と聞いていたので非常に驚いて「シャブシャブ?」と思わず聞き返してしまいました。「シャブシャブ知らないか?」と聞かれて「いや、良く知っているけど、韓国にシャブシャブがあるのか?」と聞き返してしまいました。

ついた店の外側はすべてハングルで書かれていたので、何が書いてあったのか全く分かりませんが、きっと「샤브샤브」という文字がどこかにあったに違いありません。メニューもハングルがメインで英語がサブ。彼が、「sea food と beef」とどっちがいい? と聞いてくるので、beef をチョイスしました。

店の構造は日本の焼肉屋に似ていますが、若干違いました。4人掛けのテーブルには人数分の IHヒーター が埋め込まれていて、個人個人、自分専用の鍋が出されます。ダシを入れて、スイッチオン。あっと言う間に沸騰するので、盛られた具をめいめい好きにダシに入れ、食べます。具としては、beef の他は、もやし、Oyster mushroom、レタス、あと何だったか・・・

話や食事のペースを合わせるべく、相手の動きを見ていると、早い、早い。日本のように、肉を一枚とってダシにゆらゆらくぐらせ、ポン酢か何かにつけて食べ、また次に肉を一枚とって・・・というのではなく、肉や野菜を一度にある程度まとめてダシに入れてしまい、少し待ってからぱくぱく食べ、またまとめて入れて・・・というような調子でした。日本の焼肉と韓国の焼肉の違いのようなものでしょう。最初日本式でやっていましたが、それを見た彼は、食欲がないのか? と聞いたくらいです。すぐに気づいてペースアップしました。
そう言えば韓国でプルコギを食べたときも、皆さん食べるの早いな~と思ったのを思い出しました。

そろそろ具材を食べ終えるかという頃、「rice と noodleとどちらが良い?」と聞かれました。筆者は noodle を選んだのですが、当然これ、シャブシャブを食べ終わったあとのダシをどう使うか、というものです。出てきた noodle は、まさしくうどんでした。うどんそのものも割合とおいしく、結構幸せでした。しかし彼は rice をチョイスしたらしく、ダシに rice と卵を割りいれ、雑炊にして食べていました。うーむ、しゃぶしゃぶで雑炊・・・日本ではやらん・・・と感心した次第です。確かに、日本のしゃぶしゃぶと比べると、雑炊やうどんのネタになるほどダシの味付けが濃いことに気づきました。

食事中、韓国ではシャブシャブはポピュラーなのか? と聞いてみたところ、「良く食べる」とのことで、「でも、韓国では大鍋で皆で突っついて食べる。これはアメリカ式」とのことでした。

韓国にシャブシャブがあるとは思わなかったので、ウィキペディアで調べてみると、「日本の鍋料理」で、「1952年に大阪のスエヒロが、自店の料理として出すときに命名したもの」だそうな。しかし一方で、起源については、「北京の火鍋料理に「羊肉(shuàn yáng ròu)」という羊肉でしゃぶしゃぶする料理があり、この料理が京都に伝来し、日本の「しゃぶしゃぶ」のルーツになったともいわれる」とのこと。

しかし、実は最近しゃぶしゃぶと台湾の関係を疑っていました。Rockville には Taiwanese restaurant なのに shabu shabu を売りにしている店があります。この店、Greater Washington では割と名の知れた店なのですが、何故か Japanese shabu shabu と表示しています。ZAGAT ではこの店を Japanese restaurant に分類しています。それはさておき、この店の中文表記は、「涮涮锅」です。「」という漢字は、初めて見てもなんとなくどういう動作か分かる気がします。漢字表記があるところを見ると、実は台湾がルーツなのか? と思っていました。まあ改めて考えて見れば、Coca Cola の漢字表記(可口可楽)があるのだから、漢字表記があるからと言って中国・台湾ルーツとは限らないのは明らかなのですが。

さて改めてネットで調べると台湾にもしゃぶしゃぶを出す店はあるらしく、台湾風しゃぶしゃぶというものは存在するようです(知りませんでした!)。中国語が出来ないなりにも Y! Taiwan で「涮涮」を検索すると96,000以上ヒットして、ヒット結果の1ページ目は殆ど全て涮涮店のウェブサイトのようです。しかも一部は「日式」と自称していたりもします。
「日式」なのか台湾風なのか、またそれらがどんな特徴があるのか分かりませんが、銀座に台湾しゃぶしゃぶの店が出来たというのが日本のニュースになっていたりします。

ついでに Y! China で「涮涮」を調べて見ると、19万件もヒットしました。「台式涮涮锅」だの「涮涮锅」だの「日本涮涮锅」だの実に色々あって、国籍不明状態です。ですがざっと見たところでは「中式」というのは見ませんでした。
ウィキペディアに「北京では羊肉」という記載があったので、「羊肉」で調べると、これも沢山ヒットしましたが、逆に「日式」だの「台式」というのを見ませんでした。寧ろ「蒙古」という漢字が散見されました。羊ですしね。

さらについでに Y! Hong Kong で「涮涮」を調べてみたら、どうも飲食店らしきものはヒットしませんでした。食品らしき記述はありましたが、どうも「シャブシャブ」のことを指しているのではなさそうでした。

調子に乗って Y! Korea で「샤브샤브」を調べてみたら、これも沢山ヒットしました。でもハングルが読めないので中身はさっぱり分からなかったのでした。

おう! そうだ! Wikipedia には何と書いてあるか? と調べてみたら、これは殆ど日本版ウィキペディアと同じ内容で、日本の料理とされていました。日本人が訳したのでしょうか。なお、引用先を求められてはいるものの、日本版ウィキペディアにない内容として次のような記載がありました。

もともとこの料理は、チンギス・ハンが、彼の兵士たち効率的に供する食事の方法として13世紀に考案された。モンゴル兵は一同に集められ、大鍋を囲んで調理した。薄いスライス肉は短時間で調理するのに適しており、限りある燃料を節約できた。

やっぱり北京ではなくてモンゴルくさいです。
いったいモンゴル・中国・台湾・韓国・日本、どこが発祥の地なのでしょうか(少なくとも香港・広東でないことは確実だと思いますが)? それに、少なくとも台湾・韓国・日本はどの国でも shabu shabu と発音して(従って英語も)、相互に聞き取れるというのが驚きです。また、一般に「ウチが元祖」と言おうとするのが普通なのに、「ウチではない」と言い合っているような感じすら覚えるのも不思議です。実に奇妙な現象だと思います。

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2008年5月 6日 (火)

Shad

最近、shad という魚をスーパーマーケットの店頭で見かけ、買ってみました。レシピはオンライン検索で調べましたが、特別変わった調理法・味付けという感じではありませんでした。魚の調理法と言えば、だいたい sauté か broil か bake で、後はソースや rub で変化をつけると思えばいいようです。ウチではレモンバターなど結構気に入っていますが、そればっかりでは飽きるので、その都度色々変えてみます。

さて初めて shad を食べて見て、とりたてて旨い魚というイメージは持ちませんでしたが、小骨が非常に多く、日本で言うと鮎を大きくしたような感じかと思いました。さて例により、この shad を Wikipedia で調べてみました。

Family Clupeidae (ニシン科)の魚で、genus Alosa に属する魚。これまた例によって日本にはいない魚のようです。中でも American shad または Atlantic shad (A. sapidissima)が重要な魚のようで、昔は河口近くに張った網で、サーモンと一緒に捕られていたようです。とても美味な魚でソース等の味付けをしなくても十分旨いそうです。
昔は少量の酢を振りかけて食べたとのこと。東海岸では shad の卵が美味なので roe shad (雌の shad)が珍重されるそうです。

屋外で shad を焼いている写真がありました。こんな風に焼くんですね。
Shad1

この写真では、中央に焚き火を起こし、その周囲に板に括りつけた shad を配置して焼いています。日本の炉端焼き方式と似ています。

これとは別に、planking という焼き方があります。Plank とは単なる板切れなのですが、これを数時間水に漬けて良く水を吸わせた後、これに魚を乗せて、板ごとグリルの上に乗せて焼くという方法です。
Plank に魚を乗せたところはこんな感じ。
Shad2

それをグリルに乗せるとこんな感じ。
Shad3

板は良く水を吸っているので、直に火にかけても燃え出したりしません。その代わりブスブスくすぶるので、薫製の一方法と言うことが出来ます。
上で焚き火の周りに配置した焼き方も、括り付けている木が何らかの味・香を shad に付与するものと思われます。

さてこの planking、別に何の魚を plank しても良いのですが、特に shad を plank する場合は特別な意味があります。Shad を plank した料理は、Shad Planking と呼ばれますが、この “Shad Planking” は同時にお隣 Virginia 州 Wakefield で毎年4月の第3水曜日に行われるイベントのことも指します。

この Shad Planking とは、州知事候補者、ロビイスト、キャンペーン関係者などが一同に集まって shad を食べ、ビールを飲み、おおいに語り合い、政治家たちの演説を聞くイベントだそうです。

おおもとは政治に関係なく、1930年代、Paul Cox とその仲間が、Virginia 州 Isle of Wight County、Wrenn’s Mill で、単に釣りシーズンの始まりを祝うために 25人の友人を招待したのが発端のようです。南部で似たような会合に出たことのあった Cox は、予め James River で捕っておいた 15匹の shad を木材に乗せて直火におきました。この調理法は今でも使われているそうです。

1949年には Wakefield Ruritan Club がこのイベントをホストするようになりましたが、Dr. Nettle の提案によって、この shad planking が毎年の委員会に供されることとなりました。そしてこのイベントは段々と政治色の強い集まりになっていったようです。候補者が自分の旗色を伺ったり、逆に支持者が、どの候補者がどの程度支持されているかを見る場所になってきたとこのこと。

1960年代ころまでは、民主党はこの shad planking を時期州知事を選ぶためのイベントと位置づけていました。しかし Virginia が徐々に共和党優位になって来たのと同様、shad planking も共和党優勢になってきました。近年では Libertarian 党(米国第3党)を含む実在する全ての政党が出席するようになっています。

1949年当時の参加者は 300人程度でしたが、このイベントは春の訪れを告げるイベントとなり、参加者も年々増え続け、現在では 2000人以上だとか。なお 1977年以前は黒人・女性の参加が認められていなかったとか。

ところで ”sign war” という単語があります。Sign war とは、イベント会場の中や周囲を、プラカードや旗で埋め尽くして自分の陣営のアピールをするもので、こんなものです。
Shad4

現在、共和・民主各党の候補者選びが続いており、そのイベントでもこの sign war が見られますが、昨今のあらゆる政治イベントで sign war が行われています。この sign war で、旗やプラカードで埋め尽くされた状態のことを、業界用語で shad planking というそうですが、その理由は sign war が Shad Planking で始められたかららしい・・・

Shad そのものは広く分布しているようですが、Virginia を連想する魚のようです。

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