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2008年3月

2008年3月 6日 (木)

Kombucha

昨日の買い物の話は、実はまだ終わっていません。ゴマとゴマ油を買ったところまでしか書いていません。話には実は続きがあります。
そのローカルのオーガニックスーパーでは、頼まれたゴマとゴマ油の他、フリーズドライの味噌汁が意外に安かったのでそれを買いました。さすがに昆布茶はないだろうなーと思っていましたが、これがまた実に意外なことに、”kombucha” 各種があります。店に置いてあったものとはメーカーが異なると思いますが、だいたいこんなものです。

これが冷えた飲料コーナーに並んでいました。上のURLだと original、citrus、gingerade、multi-green とあります。以前は同じ場所に Ito-En のお茶各種(USバージョン)が並んでいました。それがなくなって kombucha に置き換わっていたわけです。気軽に飲めるお茶ドリンクが撤退させられてしまったなーと、日本人としてはやや残念でしたが、同時にそれに取って代わったのが昆布茶! と腰が抜けるくらい驚きました。そんなものがこちらで注目されるのか? 緑茶に替わって? と。ちょっと試しに買ってみようかと思いましたが、original は良いとして citrus だの gingerade だの? Multi-green は青汁みたいな味なんでしょうか? どっちにしてもちょっと「・・・」なので、買わずに当初予定通りに日系のお店に移動します。

日系のお店では、目論見通り昆布茶がありました。粉末または顆粒で、お湯に溶かして飲むアレです。東京にいた当時、昆布茶と言えば玉露園のコレでした。一時期飲んでいたこともありましたが、最終的には何だか塩味つきのグルタミン酸ソーダのような気がして敬遠していました。こちらでゲットしたのは違うメーカーでした。まあメーカーまで指定されていないし、そもそも頼まれたのは、本人がここで見つけたのにその時買わなかったからで、まさにコレを見てのことだったに違いないので、迷わず買いました。

しかし、コレを溶かしたものを冷やして売っているんだろうか・・・ と疑問に思ったので、Wikipedia で kombucha を調べてみて・・・ あ、あ、唖然・・・

Kombucha is the Western name for sweetened tea [昆布茶って甘かったっけ?] or tisane that has been fermented [発酵なんてしてたっけ?] by a macroscopic solid mass of microorganisms [微生物だと?] called a "kombucha colony," [昆布茶コロニー?] usually consisting principally of Acetobacter-species and yeast cultures. [酢酸菌に酵母?????]

・ ・・これって、もしかして紅茶キノコ・・・

読み進めると、確かに出てきました・・・

The word kombucha, while sounding Japanese to foreign ears, is a misnomer when applied to this beverage. In fact, Kombucha (昆布茶) in Japanese refers to a tea-like infusion (cha) (actually, more of a thin soup) made from kelp (kombu), usually served to patients in convalescence. The Japanese refer to live 'kombucha' as kōcha-kinoko (紅茶キノコ), which literally means black tea mushroom.

日本の昆布茶が病後の栄養補給に供されるとは初めて知りました(と言うより間違いでしょう)が、これはやっぱり紅茶キノコじゃないですか!!!

しかしまあ、紀元前 250年から存在していたとは・・・ 私は 1975年頃日本で流行したのを覚えていますが、本来そんな古いものだったんですか。しかしそれを商品にして売っているということ? 健康食品によくある例とて、antioxidant だのなんだの好きなことを言っています。日本では 30年以上前に流行ってとっくに廃れてしまったのに、こちらではまだそんなことを言って堂々と店頭に並んでいるのはちょっとしたオドロキです。

しかしそんなに古いものなら、どうして間違って日本語の kombucha などという名前がついてしまったのか・・・? 幾ら古いと言っても、Wikipedia を信用するなら、ずっと中国で継代培養されていたものが1800年代にロシア・ウクライナに伝わり、1900年代にポピュラーになったとのこと。このときの名前は Чайный гриб で tea mushroom という意味だそうですから、まさに紅茶キノコです。どうやら欧米に伝わったのはそれ以降で、その過程で kombucha と間違えられた模様です。

ちなみに英文 Wikipedia で kombucha を読み、そこにある日本版へのリンクをたどると、ちゃんと紅茶キノコが出てきます・・・ ちょっと安心。

いやー、面白いからと言って、昨日妙なモノを買わなくて良かった・・・

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2008年3月 5日 (水)

Sesame Oil

前にも書きましたが、東京にいた時分、日本食材はかなりこだわって選び、納得の行くもののみを買っていたのですが、こちらではそんなことが出来ないため、なるべく買わないようにしていました。しかし、よくよく考えて見れば、こちらでネイティブのアメリカ人が、日本ふうの料理をすることはあるわけで、そういう人たちのために、ごくごく普通のこちらのスーパーマーケットでも、醤油その他のメジャーな食材は、やはりごくごく当たり前に売られています。それは、日本人から見れば「そんなものは醤油ではない」というようなものから、「カナリ醤油と言って良い」ものまで色々あるわけですが、アメリカ人は「どちらが本物に近いか」などということは気にせず、自分の好みにあったものを選んでいるに違いないと思われます。みりんにしろ、味噌にしろ何でもそうでしょう。

日本在住のフランス人が、「そんなものはバゲットと呼ばない」というバゲットを日本人がウマイウマイと食べたり、日本在住の中国人が、「そんなものは中華ダシではない」と思う中華ダシを、日本人がどちらがウマいかと真剣に議論したりしているのと同じでしょう。

ならば、醤油にしろ何にしろ、「こだわれないから買わない」とか、「日系の店で出来る範囲でこだわって買う」のではなく、アメリカ人になったつもりになって、なるべくこちらのローカルなスーパーマーケットで、こだわらずに買うことにすれば良いと思い当たった次第です。その方がこちらの他の食材とも良くマッチしますし、値段も安く上がります。

前置きが長くなりましたが、昨日、妻から、仕事の帰りに日系のお店に寄ってゴマ・胡麻油・昆布茶を買って来て欲しいと頼まれました。

で、前置きに書いたような理由から、日系のお店に行く前に、ローカルのお店で揃うものは買ってしまい、それでもないものだけ日系のお店に買いに行くことにしました。少々値段は高くなりますが、オーガニックにこだわったローカルのお店では、ゴマ(白・黒とも)も何種類かありましたし、ゴマ油は、なんと unrefined、unrefined organic、toasted unrefined に refined と4種類も品揃をしているメーカーがあって驚きました。ゴマ油を refine するとどうなるのか、日本のゴマ油は refine してあるのだったか分からなかったので、refined と unrefined の用途を比較して見ると、refined は高温用(揚げ物?)、unrefined は中温用(炒め物用)と書いてありました。きっと unrefined は温度を上げすぎると風味が損なわれる成分を含有しているのでしょう。

日本におけるゴマ油の製法は、日清オイリオによると、「選別」→「焙煎」→「圧搾」→「ろ過」→「熟成」→「仕上げろ過」→「充填」という工程をたどるそうです。またウイキペディアには

生のままのごまを搾った食用油は「太白油」と呼ばれ、現在では高級油の扱いである

などの記載があります。これらのことからすると、一般に日本で「ゴマ油」というと、焙煎をしたものを指し、焙煎をしていないものを太白と呼んで区別するようです。太白は普通のゴマ油に比べると、はるかに薄い色をしています。

この「焙煎」は英語で言うとまさに toast で、上の4種類のうち1種類だけが toasted です。Toasted は日本のゴマ油程度の色がついていますが、他の3種類はすべて「太白」の色です。Wikipedia によると、この toast をしないゴマ油のことを、cold-pressed sesame seed oil と呼び、toast をしたゴマ油のことを、hot-pressed sesame seed oil と呼ぶそうです。そしてアジアでは hot-pressed がポピュラーだけれども欧米では cold-pressed が一般的だそうです。確かにそのようです。並んでいる商品の殆どが薄い色をしていました。

そして refine です。ゴマ油の refine についてちょっと調べてみましたが、どうも良く分かりませんでした。オリーブオイルの場合では、 refine は、virgin oil の強い風味と遊離脂肪酸を取り除くためにする化学的な処理のことを言うようです。そして、refined olive oil の方が extra-virgin olive oil や virgin olive oil より商品的価値が低く、EVOO や VOO には refined olive oil が含まれてはいけないのだそうです。ゴマ油の refine も同様の処理と推定されますが、オリーブオイルの場合と逆で、refined の方が値段が高いようでした。そして、refined sesame oil は、意外なことにマーガリンの原料なのだそうです。欧米では refined sesame oil を好むようです。逆に、どこにも明確に書いてありませんが日本・アジアでは unrefined が普通のように思えます。

昨日買ってきたのは toasted unrefined とただの unrefined で、それぞれ日本の普通のゴマ油、太白に相当するものと思われます。正解。

なお4つも品揃しているメーカーはここだけで、他は1~2種だけという感じでした。他のメーカーのものがどの sesame oil だったか忘れましたが・・・

Wikipedia には sesame oil の効用が色々と書いてありましたが、それには触れないでおきます。ところで sesame oil は南インド、中国、韓国でとてもポピュラーだけれども、調理油としては使われず、もっぱら料理の最後に風味付けとして用いられる(ピーナツ油と同じ)と書いてありましたが、これは本当でしょうか? 日本(特に関東)の天ぷらも殆どの場合ゴマ油を配合した油で揚げるのではなかったか・・・
昨日買った unrefined も、炒め物にどうぞと書いてありましたが・・・

Emeril Lagasse の “Chinese-Style Whole Fried Black Bass over Wok-Sauteed Bok Choy, Ginger, and Spring Garlic” の Bok Choy ソテー部分を見たら、sesame oil は確かに vegetable oil で炒めたあと仕上に使っているだけ。Ellie Krieger の “Sesame Stir-Fried Chinese Greens” も概ねそんなところです。あれれ・・・
ありゃー、日本のレシピでも、例えば陳建一の「大根とひき肉のちょい辛炒め」もそうですし、「麻婆豆腐」なぞにいたっちゃ、炒めるときはサラダ油、仕上もサラダ油です。

・・・認識を変えないといけないかも知れません。

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