2009年11月11日 (水)

Country Fried Steak

先週末のアトランタではとことん南部に拘った食事をしました。前の記事にある Mary Mac's では勿論 pot likker だけを食べたわけではありません(だいたいそんなものはそもそもメニューにありませんし)。筆者のオーダーは、country fried steak & gravy で、サイドは squash soufflé と black-eyed peas にしてみました。カナリ南部、と悦に入っておりました。実はこの country fried steak、食べたのはこれが初めてです。以前から南部の料理として知っていたのですが、それは多分 Paula Deen の番組でとりあげていたからだと思います。

実際に食してみて驚きました。まず肉ですが、ほろほろに柔らかく、フォークで崩せるほどなのです。ステーキとは言うものの実際どの部分かはどこにも書いていないので、この感じだと brisket か flank あたりを slow cook したのかと思うほどでした。いずれにしても、肉を pan fry または deep fry しただけでは絶対にそうはならない仕上がりでした。Steak という概念からはほど遠い肉料理、それが country fried steak でした(少なくともこの店のバージョンは)。

帰って来て、改めて country fried steak を調べてみました。いつものように Wiki で引いてみると、何故かヒットしません。おかしい、載っていないわけはないはずなのにと思いきや、"chicken fried steak" として載っていました。

Chicken fried steak

Chicken fried steak (countrty fried steak または CFS と記されることもある)は味をつけた小麦粉とパン粉をまぶした steak (柔らかく処理した cube steak)である。アメリカ南部料理である。名前の由来 CFS の下ごしらえがフライドチキンの下ごしらえと似ていることによる。しかし実際は、柔らかく処理した子牛または牛を小麦粉、卵およびパン粉でまぶしてから揚げたカツレツであるウィーンの Wiener Schnitzel (ラテンアメリカでは milanesa として知られている)に近い。

[歴史]
詳細な起源は不明であるが、19世紀にテキサスに移住したドイツ人・オーストリア人がヨーロッパから持ち込んだ Wiener Schnitzel が起源であるという情報がある。名称が変わったのはドイツとの戦争が理由である可能性がある。テキサス South Plain の Dawson County、Lamesa およびテキサス州 Bandera が発祥の地であるとされている。

[類似の料理]
テキサス州および近隣の州では、CFS はフライパンで deep fry し、コショウで味付けしたミルクグレイビーを添えて供するのが一般的である。米国の他の地方では "country fried steak" とも称され、地域的な特色がある。ブラウングレイビーを用い、少量の油でソテーするか、グレイビーで軽く煮込むかする場合が多い。また別の地域では、"country steak" はブラウングレイビーを添えたハンバーガーである Salisbury steak を指す場合もある。
他の肉が使われる場合もあり、steak の代わりに骨なし鳥ムネを使った場合には chicken fried chicken と呼ばれる。これがフライドチキンと異なるのは、肉が骨からはずされている点と、chicken fried steak と同様に調理される点である。Steak fried chicken と呼ばれることもある。骨なしポークチョップ(多くの場合センターカット)も同様に用いられることがあり、その他ビーフカツ(柔らかく処理した round 肉)、バッファロー、骨なし鳥ムネが用いられることもある。

最初この文の解釈に非常に混乱しました。最初のパラグラフでは単に steak としか書いておらず、ふつう steak と言えば問答無用でビーフなのですが、しかし chicken fried steak と言うわけで、もしかしてビーフ以外の肉にも steak と言う単語を用いるのかとも思い、とするとチキンソテーの一種なのかと思ってしまいました。そうするとアトランタで食べたのはチキンだった? チキンをビーフと思い込んで気づかなかったのか? と一時はショックで呆然としてしまいました。

が、すぐにそうではなく、上に書いてある通り、下ごしらえの仕方がフライドチキンと似ているから "fried chicken" ライクな steak という意味で "chicken fried steak" というのだと分かりました。しかしまあ、このようなコンテキストがなく、いきなり "chicken fried steak" と言われたら、例えば "pan fried steak" という場合はフライパンでソテーしたステーキという意味ですから、チキンでソテーしたステーキという意味になってしまい、なんだか良く分かりません。"Fried chicken" ライクな steak という意味なら、そのものずばり "fried chicken steak" という風になりそうなところ、そうならない。"Fried chicken steak" だと、「フライパンでソテーしたチキンステーキ」というような意味にでもなるのでしょうか。しかし「チキンステーキ」は和製英語ならチキンソテーと同義だと言ってもいいかも知れませんが英語では意味をなしませんね。
まあウィンナーシュニッツェルと同じと殆ど同じだというあたりでようやく正しく解釈できた次第でした。
それにしても類似バージョンで、"chicken freid chicken" とはなんともふざけた名前でしょうか。最初何を言っているのか全然わかりませんでした。

ところでこれは南部料理と理解して正しいようではあるものの、pot likker とは全く異なり、ヨーロッパ起源のテキサス生まれだとは全く意外でした。Wiener Schnitzel と同じなら確かにそれはそうでしょうけれども、ひとくちに南部料理とは言え、随分出自は色々あるんだなと考えさせられた一品です。

さて CFS を調べ直そうと思ったのは、あたかも良く煮込んだ corned beef (日本のコンビーフではありません)のように、ほろほろに崩れる柔らかい肉が、一体どの部位をどう調理したものか知りたかったためでした。上の Wiki ではチラっと round というのが出てくるのですが、先日食べたのが round だとすると、一体どのような調理法を用いたのでしょうか。Round とは尻のあたりの肉で、数あるビーフの部位の中でも筋肉質で脂分が少なく、健康的だけれどもちょっと火を通しただけであっという間に固くなる部位です。これをあれだけ柔らかくするにはとろ火でコトコト三昼夜 slow cook しないと無理です。「ステーキ」という技法ではあり得ません。

ヒントは Wiki 冒頭の "cube steak" にありました。何気なく読み飛ばしていましたが、これは実は「サイコロステーキ」という意味ではありません。アトランタで食べたものも一枚の肉であって、サイコロステーキではありません。それが何かを書く前に、Paula Deen の CFS のレシピを見てみましょう。

Country Fried Steak with Biscuits and Gravy

Ingredients

Steak and Gravy:
1 1/2 cups, plus 2 tablespoons all-purpose flour
1/2 teaspoon freshly ground black pepper
8 (4-ounce) tenderized beef round steak (have butcher run them through cubing machine)
1 teaspoon House Seasoning, recipe follows
1 teaspoon seasoning salt
2 cups buttermilk
2/3 cup vegetable oil
1 1/2 teaspoons salt
1 quart whole milk
1/2 teaspoon monosodium glutamate (recommended: Ac'cent), optional
1 bunch green onions, or 1 medium yellow onion, sliced

ビーフのところを見てください。Round steak を使うのですが、これはただの round ではなく、"tenderized"(柔らかく処理)したものを使います。そして括弧内には、「肉屋の "cubing machine" で処理して貰え」と書いてあります。どうやら tenderize する方法の一つが cubing であるようです。ではちょっと cubing machine をググってみます。

まずはこんなのがヒットしました。

・・・ これは文字通り肉をサイコロ状に切る機械でした。これじゃありません。Cubing machine ではなく meat cuber でググるとこんなものがヒットしました。

001

これ、ミンチを作ったりソーセージを作る mincer に似ていますがちょっと違います。寧ろパスタマシンに近いものです。上からステーキなどの平たい肉を入れると、下から処理された肉が出てくるわけですが、どんな処理が施されているかと言うと、アタッチメントの中身はこんなになっているようです。

002
ようするに、肉を細切れにするのではなく、小さい切れ目を沢山入れて、筋・腱などをカットすることで柔らかくしているわけです。手動ならこんな道具もあります。

003
筆者はこれを買おうかと思ったけれども、洗って衛生的に保つのが凄く大変そうだと思ってやめたのでした。肉を tenderize する方法は、その他パパインなどの酵素で処理する方法、パパインなどを含む果物、パイナップルなどを用いたソースでマリネしておく方法、アルコールを用いる方法など色々ありますが、最終的にステーキにするならこのような物理的な方法に頼ることになるわけで、この方法のことを "cubing" と言うのだと初めて知りました。ここで改めて cube stake を Wiki で引くと、

Cube steak

Cube steak はビーフの一部位であり、通常は round または top sirloin であり、肉叩きで良く叩くか、電動 tenderizer で柔らかく処理したものである。多くのシェフは肉叩きを用いると肉を潰しすぎることになるため、専用の cubing machine を用いるか、もしくは肉の繊維の各方向を断ち切るように鋭利な刃物を用いて手で cubing するのが良いとしている。Cube steak は chicken freid steak に最も良く用いられる肉である。

そうなのです。筆者も筋肉質のビーフを煮込むのではなくステーキにするために tenderize するには、pairing knife で丹念に繊維を断ち切るのがベストという結論に至り、時々それを実践しているのでした。

ちょっと後半は南部料理から話がずれましたが、知らなかったことシリーズということで。ちなみに筆者の愛用している辞書(三省堂 Exceed)によると、"cube" には上のような意味は掲載されておらず、成句として "cube steak" が掲載されていますが、その訳は「さいころステーキ」でした。動詞としての "cube" には「さいの目に切る」という意味があるからでしょう。たしかに上の電動の meat cuber のアタッチメント内部を見れば、縦横に切れ目を入れるので、さいの目に切るのに近いとは言えますし、それが cube steak の語源に違いないと思います。しかし実際には切れ目は2次元だけなので縦横に切れ目の入ったステーキにはなりますが、3次元で切った結果である本当のサイコロにはなりません。よって「さいころステーキ」はハズレです。
なお「英辞郎」では "cube steak" の訳は「キューブステーキ」でした...orz

やっぱりビーフの扱いは肉食文化圏には全然かないません。

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2009年11月10日 (火)

Pot Likker

この週末、アトランタに旅行に行きました。観光スポットとは別に、どこでどんなものを食べるべきか、今回は結構事前に周到に調べておきました。近年はなるべくクチコミ情報を参考にするようにしているのですが、こんなページがありました。

Atlanta Forum: Famous Atlanta cuisine??

トピ主さんの質問はこんなのです。

アトランタはどんな料理が有名なのでしょうか? 私たちは旅行に行くといつもその地方の料理を食べることにしているのですが、アトランタに関してはどんなものか良く分かりません。Peachtree Plaza のウェスティンに泊まる予定なのですが、その近辺で何かお勧めはありませんでしょうか。また良いレストランがありましたらそれも教えてください。

我々も全世界、どこに行ってもなるべくその地元のものを食べるようにしています。あ、東京に住んでいれば日本全国のものが食べられると言っても過言ではありませんし、ワールドワイドに見てもかなりカバーしていることは事実でしょう。
しかし、東京で食べる「日本各地の味」はやっぱり本物ではありませんし、ましてやもっと遠くの、東京で食べる「外国の味」は、実はかなりアヤシイと思った方が良いと確信しています。東京の老舗で食べるアンコウ鍋は、それは大洗の味ではなくてその老舗の味でしょうし、東京で食べるピザやパスタは最早和食ですし、東京で食べるハンバーガーは、それがいくら東京で人気があろうと、こちらの人気店のものとは程遠い内容です。
それをこちらに置き換えても実は同様で、こちらで人気のイタリアンは、イタリアンと言うより寧ろアメリカンですし、こちらで人気のジャパニーズはマンハッタンの一部例外を除き、ジャパニーズではありません。アメリカ国内にしてもそれは同様で、DC で食べる Cajun はやっぱり Cajun 風でしかないと心得るべきでしょう。

さてアトランタに戻って、DC でアトランタ料理を食べるのではなくて、実際にアトランタに行くのですから、アトランタならではのものを食べたいと思うのは当然です。上のトピ主さんは我々と気が合いそうです。
そしてこれに沢山のレスがついていますが、「アトランタならやっぱり Southern でしょう」というのが基調のようです。で、Southern と言えばフライドチキンだのフライドステーキだのが出て来ますし、レストラン名も色々挙げられています。その中で、Mary Mac's という店を推すレスが多いように感じました。今回 2泊 3日の滞在の最終日のランチにそこに行ってみたのですが、ここに書くのはその料理評ではなくて、今まで知らなかったことです。

ウェイターが出てくると、メニューとオーダースリップ(伝票)を渡されました。「オーダーはその伝票に書き込んでください、これは 1945年からの伝統です」だそうで、見ればテーブルの上に鉛筆が数本立ててあります。しかも、良くある長さ数センチのチビた鉛筆ではなく、店名入りの真新しい鉛筆でした。そして、「この店へは初めてお越しですか?」と聞きます。これを聞く店は珍しくないのでそうだと答えます。すると通常はその店の特徴を説明されるのですが、この店は違いました。「それならば○○をお出しします。代金は不要です」ということでした。「○○」が聞き取れなかったのですが、出てきたのはぐい呑みくらいの大きさに入った透明なスープで、中には少し野菜が沈んでいます。これに小さなカップケーキのようなものが添えてあります。ウェイターの説明では、このケーキをちょっとずつ崩してスープに漬して食べると美味しいそうで、それにお好みでこの店特製のホットソース(辛いというより酸っぱい)を入れるのもお勧めだそうです。

で、言われた通りにしてみました。でもまずは好奇心から、スープだけをちょっと口に入れて見ると・・・ サラサラの見た目にしては味は濃厚で、確かに美味しいのは間違いないのですが、どこか懐かしい味。ケーキをほぐして入れてみる。イケる。ソースを少し。さらにイケる。とまあ無料にしてはこの店の signature dish のひとつなのでしょう。

その時はへええー、と感心しながらも少々考えて、妙に懐かしみを覚えるこの旨みは、昆布の味のように思えました。とろろ昆布とか。ということは、この味の主体は MSG? MSG でこれだけの味を出すとしたら相当な量を入れていることになりそうですが、かと言って不自然な味でもないのです。

そうこうしているうちにアントレが出てきてしまったのですが、そのサイドのひとつに "Collard Greens & Cracklin'" というのをオーダーしてありました。文字通り茹でた Collard Green に Cracklin' を添えたものなのですが、この Collard Green の茹で汁が上の○○と同じ味で、美味しいには美味しいのですがということはこれも MSG? そうではないと思うけれど? と思いつつも興味の主体はアントレに移ってしまいました。

帰宅後、持ち帰ったこの店のメニューを改めて何気なく読んでいたら、

be sure to ask for your complimentary cup of pot likker and cornbread if it’s your first visit

という記載をみつけました。ああ、あれは pot likker というスープで、ケーキはコーンブレッドだったのか、と初めて理解しました。ケーキはまさしくコーンブレッドだったのでそれは良いとして、果たして pot likker とは何者? 早速 Wikipedia。

Collard liquor

Collard liquor はまた pot liquor、時に potlikker や pot likker などと記されるが、緑色野菜(collard green、mustard green、turnip green 等)を茹でた後に残る茹で汁である。時に塩、豚肉、ターキーなどで調味される。鉄分やビタミン C などの必須ビタミンやミネラルに富み、ビタミン K を多量に含む点で特に重要である。しかしビタミン K は血液の凝集を助けるので、Coumadin(ブランド名。一般名 Warfarin。血液抗凝固剤)服用者は pot liquor を摂ってはならない。

なるほどそういうことでしたか。Pot likker に少し混じっていた緑色の野菜は collard green で、だからサイドの collard green と同じ味がしたわけです。ではまずその collard green とは、日本では見かけませんがどんな野菜でしょうか。

Collard greens

Collard green は Brassica oleracea (Acephala Group) の結球しない一連の品種で、種としてはキャベツ・ブロッコリと同一である。大きくて深い緑色のため、食用ではあるが、ブラジル、ポルトガル、アメリカ南部、アフリカ、モンテネグロ、スペイン、カシミールなどでは鑑賞用としても用いられる。ケールや spring green と同一品種に分類され、遺伝学的に極めて近縁である。

[成分]
広く健康的な食品であると認知されている通り、collard はビタミン C および可溶性食物繊維に富んでおり、抗がん作用があると期待されている物質、ジインドリルメタンやスルフォラファンなどを含んでいる[要出典]。茹でた collard green 約 100 g のエネルギーは 46カロリーである。
カリフォルニア大学バークレイ校のグループは最近、collard green などの Brassica 属の野菜に含まれる 3,3'-ジインドリルメタンに、先天的免疫応答システムに作用して抗ウイルス作用および抗腫瘍作用があることを発見した[要出典]。

[料理法・北米]
Collard green は米国南部料理およびソウルフードのの中心的な野菜である。ケール、turnip green、ほうれんそう、mustard green などその他類似の緑色野菜とともに "mixed greens" として調理されることが一般的である。米国南部では通年用いられる。
燻製の肉(豚足、豚の首、背脂またはその他の油分の多い肉)、角切りのオニオン、酢、塩、コショウ(黒、白、またはあらびき赤)などで調味するのが一般的である。Black-eyed pea や field pea、およびコーンブレッドなどとともに食し、その年の繁栄を祈念するのが伝統的である。これは collard の葉が札束に似ていることに起因する[要出典]。コーンブレッドは栄養に富んだ collard の茹で汁である pot liquor に漬して食する。Collard green はまた細切りにして発酵させ collard kurat にし、平たいゆで団子とともに調理する。

とあります。いやいや、全然知りませんでしたが、collard green は南部料理とは切っても切れない関係にあるわけですね。

一方こんなサイトもありました。

Collard Greens

これによると、

Collarad green は何世紀にも亘って料理で使われてきた。Collard green の南部スタイル調理法はアフリカから南部の植民地に連れて来た奴隷の空腹を満たし、その家族を食べさせることに端を発する。Collard green はアフリカ起源ではないが、くたくたになるまで煮込んだ緑色野菜を食べ、また緑色野菜の絞り汁(pot likker)を飲む習慣はアフリカ起源である。植民地における奴隷はプランテーションのキッチンの残り物を与えられた。その中にはターニップの先端部やその他の緑色野菜も含まれていた。豚足もまた与えられた。有名な南部の緑色野菜料理は、こうした残り物を用いて食事を作ることを余儀なくされたために発達した。奴隷が、その地、その場で利用可能な食材を用いて作ったものが現在の南部料理の起源なのである。

南部出身者は緑色野菜を好む。緑色野菜は南部料理の伝統において1世紀以上にも亘り他のどの食材よりも食卓上の重要な位置を占めてきた。緑色野菜とはキャベツの一種であるが結球しないものであり、ケール、collard、ターニップ、ほうれんそう、mustard green などが該当する。
南部の州では、一家が消費する大量の緑色野菜のことを "mess o' greens" と言う。"Mess" を構成する個別の分量は家族の大きさによって異なる。

緑色野菜の伝統的な調理法は、塩漬けポークまたは塩漬け豚足とともに、柔らかくなるまでゆっくり長時間茹でることである。緑色野菜は焼きたてのコーンブレッドとともに供され、コーンブレッドは pot-likker に漬して食べるのが典型的である。Pot likker は、長時間緑色野菜を煮込んだ結果生じる、ビタミンに富んだ高度に濃縮されたブロス(筆者注:茹で汁/スープ)である。換言すれば、pot likker はポットに残った "liquor" である。

調理中に生じるにおいを不快に感じる人もいるが、このにおいの感じ方で「真正南部人」か「熱狂的ファンだが南部人ではない者」かを区別することが出来る。

地方習俗に従えば、collard は元日に black-eyed pea および hog jowl (筆者注:恐らく上記 Cracklin' と同義か類似のものと推定)とともに食し、1年の経済的な繁栄を祈るものである。またこの際、生の葉を玄関に吊るして悪魔よけとする。なお生の葉を額にあてると頭痛が治るとされている。

アトランタに行く前、結構事前に色々なことを調べて行ったつもりでしたがまだまだ知らないことは山ほどあるようです。事前に調べた中で、サイドメニューとしては fried okra とか fried green tomato などが quite southern であることは分かっていたのですが、collard green もそうだとは全く知りませんでした。そしてその調理法が奴隷の生活様式に端を発していた、と。期せずして頼んだサイドメニュー "Collard Greens & Cracklin'" などは涙が出るほど Southern なわけで、それとは切っても切れない pot likker にも出会いました。
しかも、それが本来新年の行事だったとは・・・ 日本で言う豊作を祈るおせちの「田作り」と似ていますが、おせちほど色々なものを作るわけではないと思いますので、寧ろ門松を立ててお屠蘇を飲む儀式の方が似ているかも知れません。

実はこの collard green、上で長時間かけて茹でるとある通り葉が肉厚で、また何とも深い緑色をしていて、形も見るからにケールに似ていて「青汁」を連想させ見るからにエグそうなので、近くのスーパーには一年中並んでいるのですが買ったことがありませんでした。まあ栄養素の缶詰のような野菜ですが、今回食べてみて、やはりちょっと口に合うとまでは行かないようでした。良薬口に苦し。でもそのブロスである pot likker は大変美味しいです。上で MSG 云々と書きましたが、pot likker の旨み成分について少し。
Collard greens によると、glucosinolates および methyl cysteine sulfoxides などが含まれているとあり、どちらもアミノ酸が関係しているのでこれらが味の構成要素なのかとも思いましたが、Wikipedia の glulcosinolate によると、glucosinolates は色々な生理活性が研究されているけれども味としては寧ろ苦味が主らしく、カリフラワーや芽キャベツの苦味はこの物質由来だそうで、旨み成分ではないようです。きっとポーク由来のタンパクとその分解物であるアミノ酸が植物由来の成分と相俟って旨みを構成しているものと想像します。

今回のアトランタ旅行、美味しくてためになりました。

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2009年11月 6日 (金)

Spring Roll vs Egg Roll

今晩軽くどこかで食事をしようと考えました。日本の居酒屋じゃあありませんが、軽いツマミが数点と、あとは酒があれば良いのですが、そういうことはこちらではバーカウンターあるいはバーエリアでないとやりづらいわけです。バーカウンターなら、そこでビールやワインとアペリティフを数点だけ、ということが出来ますが、バーカウンターがないかもしくは殆どなく、普通のテーブルしかないような店は、そこがどんなに美味しい店でもこういう時にはチョイスの対象になりません。
で、とある Chain Chinese restaurant はどうだろうかと思ってメニューのアペタイザーの部を見ていたら、

CHANG’S CHICKEN LETTUCE WRAPS
SPRING ROLLS
DYNAMITE SHRIMP
CHANG’S VEGETARIAN LETTUCE WRAPS
CRAB WONTONS
CHANG'S SPARE RIBS
CRISPY GREEN BEANS
SALT & PEPPER CALAMARI
DUMPLINGS
SEARED AHI TUNA
SICHUAN CHICKEN FLATBREAD
EGG ROLLS
NORTHERN STYLE SPARE RIBS

などと書いてあります。ちなみにこの店のメニューには漢字が用いられておらず、ターゲットとする客層がアジア系でないのは明白です。以前一度行ったときも、働いている人も客もアジア系はごく少数でした。寧ろこういう方が居心地がいい場合もあります。ですが当然 authentic な Chinese を期待はしません。
Northern Style Spare Ribs というのを以前行った時に食べたなあ、などと思っていたのですが、ふとあることに気づきました。Spring Roll と Egg Roll の両方がある、ということです。以前から店によって表記が違うのだろうと勝手に思っていたのですが、両方掲載されている例は記憶にありません。いや記憶していないだけで他でもあったかも知れませんが、とにかく、ん? と思ったのは今回が最初です。そして改めてメニューの説明を見ると、

SPRING ROLLS: A traditional favorite that we prepare daily (2) 3.75 (4) 5.95
EGG ROLLS: Hand-rolled with marinated pork and vegetables. Served as a pair, this flavorful tradition is perfect with our special sweet & sour mustard sauce 4.95

さっぱり違いが分かりません。Spring roll は 2ピースか 4ピースを選べるけれど egg roll は 2ピースのみ? いやそれは本質的な違いではありません。それでは早速 Wikipedia。

まず egg roll

Egg roll は野菜(多くの場合キャベツがメイン)のみじん切り、肉および場合によって麺を、生地でラップしたものであり、卵または卵水につけて揚げる。ラップは閉じてある場合も閉じていない場合もある。
Spring roll との比較においては、egg roll の方が一般に大きく、皮は厚くて膨れており、よりパリパリしている。また spring roll よりも多くの中身を詰める。しかしながら、両者を区別せずに使われることもしばしばである。Egg roll が小麦粉で作られるのに対し、spring roll は米粉で作られる場合がある。
American Chinese cuisine では egg roll は fried egg roll や fried spring roll などと呼ばれ、区別されない。

結局分かったようで分かりません。

では spring roll も。

[中国東部および北部]
中華料理では、egg roll は spring roll とは区別されている。浙江など中国東部および北部では spring roll に red bean paste を用いた甘い spring roll がある。

それだけ? 他の地方の spring roll はこんなの、という説明は色々ありますが、egg roll との違いはやっぱりさっぱり分かりません。中国の外、ベトナムでは生春巻きの皮が米粉で作られているのは誰でも知っていますが、確かに生春巻きの皮が小麦粉で作られていたら変でしょうね。このあたり、Wiki の egg roll の説明は部分的に頷けるところもあります。ですがまだまだ全然分かりません。

そこで "Spring roll" "egg roll" difference などとググってみると、結構ヒットします。疑問に思っているのは私だけではないようです。以下にいくつか引用しますが面倒なので訳しません。

What’s the Difference?: Egg Roll vs. Spring Roll
The main gustatory difference between a spring roll and its egg cousin is that spring rolls have thin, often translucent flour wrappers and usually aren’t fried, while egg rolls have thicker, deep-fried wrappings. Also, spring rolls in America are often filled with carrots and bamboo, while egg rolls are more likely to be filled with meat and bean shoots.

Egg Rolls vs. Spring Rolls
According to thefood dictionary at Epicurious.com ... an egg roll is a small, stuffed chinese pastry usually served as an appetizer, filled with minced vegetables and meat, rolled in a wrapper which is make of egg, salt, water, and dough, then deep fried.
A spring roll is smaller, more delicate version of an egg roll and are traditionally served on the first day of the Chinese new year... which takes place in early spring. Even though the recipe to make egg roll and spring roll are the same, typically egg roll wrappers are a little thicker.

Egg roll vs. spring roll?
I had often wondered myself- did a little research. It is not really the filling- there a slight varietions but I have had egg rolls without meat and spring rolls with meat. The difference is the wrapper they are in. Egg rolls use a egg noodle dough and spring rolls use a very much thinner rice based wrapper. Egg rolls are thought to be Chinese and spring rolls are Vietnamese or Thai. Spring rolls are called Summer rolls when they have not been fried though!

What is the difference between an egg roll and a spring roll?
The difference is in the wrapper. Egg roll wrappers have egg in them and are thicker. Spring roll wrappers were originally made in the springtime and the wrappers are thinner and crisper when fried. The insides can be anything.

結構面白いです。どれが本当なのか結局分からないのですが、大勢を占めそうなのが、

説その1: Egg roll には肉を入れるが spring roll には入れない
説その2: Egg roll の生地には卵が入るが spring roll には入らない
説その3: Egg roll の生地は spring roll のより薄い

このあたりのようです。根拠はありませんが、なんとなく「その2」が一番納得度が高いような気がします。生地に卵が入り、少し厚めに作るので強度もあり、肉などを含む色々な具を入れやすい。結果として少し大ぶりになる、とか。冒頭の Chinese restaurant の egg roll にもポークや色々な野菜が入るようです。

ちなみに Wiki には egg roll の項がありますが日本版には該当する項目がありません。日本では知られていないようです。日本での春巻きの皮のレシピを調べてみたら、

強力粉又は中力粉  カップ1
塩 小さじ1/4
水 カップ3/4

by 「春巻きの皮」も手作りしたい!

と、思ったとおり、卵は使わないようです。小麦粉に卵を加えてしまうとパスタになってしまいますね。では、春巻きそのもののレシピはどんなだったかと思ってクックパッドを見てみたら、今現在の人気トップは豚バラの春巻だそうで、いきなり肉入り! その他カニマヨだの豚肉、鶏ささ身、卵などまあバラエティの豊富なこと。まあ皆さん色々工夫されているということでしょうけれども、もともとはどうなんでしょうか。日本版ウィキによれば、

南方の広東料理では、豚肉、タケノコ、シイタケなどを千切りにして炒めて醤油などで調味したものを、小麦粉で作った皮で棒状に包み、食用油で揚げたものが一般的である。香港や広州では、飲茶の際に食べることが多く、ウスターソースを付けることもある。
しかし、浙江省などの華中、華北では小豆餡を包んだ甘いものが多く、宴会料理の一品となることもある。また、ナツメ餡などを包むものもある。
アメリカ合衆国のチャイナタウンでは、中国よりも大振りのものも作られている。
皮がパリッと揚がっていることがおいしさの要件となるので、最初は比較的低温で揚げ、再度、場合によっては再々度、高めの温度で揚げ直すという手法をとることが多い。

だそうで、何だやっぱり肉は使いそうです。そしてさらにアメリカのチャイナタウンでは中国よりも大振りのものもあるって、egg roll はさらにこれより大きいんですよね? どうなってるんだか。冒頭のレストランでは、spring roll 2コで $3.75、egg roll 2コで $4.95 ですからやっぱり egg roll の方が大きくて手が込んでいそうです。見落としていましたが、spring roll には vegitarian マークがついていますので、やっぱり肉は入っていません。

そうすると、日本の春巻きは肉が入るけれども、アメリカの spring roll は肉が入らないのが一般的? 以下は冒頭のようなアメリカナイズされた Chinese restaurant ではなく明らかに中国系の人向けの料理店のメニューで、それからこちらでの実態を見てみましょう。

良く行く台湾系(とは言いながら海南鶏飯まで置いている)の店では「上海春巻」(英訳は Shanghai Roll)が 2コで $2.95
良く行く広東系の店では「春巻」(英訳は Egg Roll)が 2コで $3.00、「上海素巻」(英訳は Spring Roll)も 2コで $3.00
良く行く四川系の店では「上海素春巻」(英訳は Vegitable Spring Roll)が 2コで $2.95
良く行く北京系の店では・・・ メニューにありませんでした。

まあメニュー名だけ見てもさっぱり分かりませんし、所詮たった数軒の例でしかありません。が、どうやら上海風の場合は肉が入らないというのは共通しているようで、その際には egg roll という語は使わず、spring roll という例が多いようです。そして、日本語ウィキにもありますが、広東風だと肉が入って、そういう場合に egg roll と称する傾向があるのかも知れません。まあどっちにしても傾向は傾向でしかなく、Wiki にあるように、結構好き勝手にネーミングしているフシも濃厚です。
ちなみに双方を置いている店にもすでに何度も行っていたことも判明(広東系の店)。気にしなければしないで済んでしまうモンですねえ。

さてこの難問、帰国するまでに解明できるでしょうか・・・

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2009年11月 2日 (月)

Chow Mein

日曜日の昼前、昼食に堅焼きそばが食べたいという話になりました。堅焼きそばの本体、麺をカリカリに揚げるというのは非常に難しく面倒な作業で、こればっかりは日本にいても自宅で作りづらいものの一つなのに、こちらで自宅で作るなどというのは絶望的な話だと思います。まあもっとも Rockville というところは、DC の近郊では Chinese の多いところで Chinese market も割と充実していますので、グロサリーから出来合いの揚げ麺を買って来て、あんだけ自分で作ってかけて食べるという可能性も案外高いかも知れません。

まあそれはさておき、その数日前もネットで堅焼きそばが食べられる Chinese restaurant がないものかと探していたのでした。そして前に何度か行ったことのある Rockville 市内の店に、「これはたぶん堅焼きそばだろう」というメニューを見つけてあったのでした。

「guilin67.pdf」をダウンロード

Hong Kong Style Noodles, Fried Rice & Chow Mein というセクションの中、2行目に「廣東炒麺」(Cantonese Pan Fried Noodle)とあります。ただ、pan fried なので、単純にその動作を考えると、日本風の鉄板焼きそばのようなものであってもおかしくありません。そうだとすれば所謂堅焼きそばとは違います。
日曜日は、少し自信がないのと、ここは先週も行ったばかりなので、この店に行くことはやめて別の選択肢を探しました。次。

かなり前に一度だけ行ったことのある評判の良い Wheaton の店を検索したところ、メニュー中に次のようなセクションがありました。

Fried Rice, Lo Mein & Chow Mein

Vegetables Fried Rice or Lo Mein or Chow Mein 8.95
Chicken Fried Rice or Lo Mein or Chow Mein 8.95
Roast Pork Fried Rice or Lo Mein or Chow Mein 8.95
Beef Fried Rice or Lo Mein or Chow Mein 8.95
Shrimp Fried Rice or Lo Mein or Chow Mein 8.95
Combination Fried Rice or Lo Mein or Chow Mein 8.95
Salted Fish & Chicken Fried Rice 11.95
Young Chow Fried Rice 9.95
Chinese Sausage Fried Rice 9.95
Seafood Fried Rice 10.95

Lo mein は以前記載したとおり我々の求めているものとはぜんぜん違うので無視。うーん、でもこの Chow Mein がどんなものか分かりません。でもまあこの店なら、ということで出かけました。・・・が、何と移転作業中で店は休業中。やむを得ないので同じ Wheaton でこれまた評判の良い別の Chinese restaurant に行くことにしました。ここのメニューはこんなのです。

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実はこの店に限らないのですが、メニューにある通り Chow Fun とか Chow Foon なる物が Chow Mein とは別に存在します。このメニューでは Chow Fun は「炒粉」ということになっていますが、「炒河」という表記を見ることもあり、この「河」とか「粉」とか言うのは、「沙河粉」のことを指すようです。ウィキによればこれは「中国広東と東南アジアの一帯でよくみられる平たいライスヌードル」だそうで、なるほど Chinese restaurant の中でも Canotonese restaurant で見かけるもののようです。

しかしこの店の Chow Fun の英文説明では単純に pan fried noodles となっていて、漢字表記「粉」あるいは音表記 "Fun" を見なければそれが細麺でないことが見て取れません。
まあそれはとにかく、Chow Mein は Chow Fun でない方の fried noodle であることは確実なので、そちらをオーダーすることにしました。ちなみに今度は Chow Mein の方ではそれが fried noodle であるという英文説明がありません。この店は結構評判が良く、土地柄ヒスパニックや白人も結構来るのですが、そういう方々はどうやってオーダーしているのでしょうか。

ま、期待通り堅焼きそばが出てくるかどうか。まあこの店の料理なので鉄板焼きそばみたいなやつでも許せるとは思いますけれども。
で、出てきたものは・・・ 期待通り堅焼きそばでした。しかし理解しかねるのは、本当に pan fry で堅焼きそばが作れるのでしょうか? クックパッドやその他レシピでは、普通の焼きそば用の生麺を買って来て、油を引いたフライパンに押し付けて焼き目をつけるとか、ほぐして放置したまま焼き目をつけるとか色々ですが、麺全体がカリカリになるまでには至らないと思うのですがどうでしょうか。
上で「期待通り堅焼きそば」とは書きましたが、実際に多分、フライパンに焼き付けたのだと推定されます。カリカリになっていたのは麺の全部ではないように思いましたので。で、あんは日本人好みの味。カナリ満足度が高い昼食でした。

さて、改めて Chow Mein を Wiki で引いて見ると、

Chow mein

Chow mein (北京語のコミュニティでは chao mian と書く)は、stir-fry した麺料理の一般名であり、バリエーションに富む。Chow mein の麺は 2種類ある。柔らかい麺か、あるいは香港スタイル chow mein であるパリパリ麺のどちらかである。

なるほど。堅焼きそばは香港スタイルだったのですか。

[語源]
Chow mein の発音は、中国から米国への最初の移民の出身地、台山地方の方言から来ている。台山語では chau1 meing4 と発音する。英語に馴化していくうちに /meɪŋ/ から /meɪn/ に変化した。

[American Chinese cuisine]
American Chinese cuisine では、chow mein は麺、肉(チキン、ビーフ、海老またはポーク)、オニオン、セロリで構成される。Westernized された Chinese restaurant で供されることが多い。
Chow mein は市場により、1)蒸し chow mein、2)堅 chow mein(香港スタイル chow mein としても知られる)の 2種がある。蒸し chow mein は柔らかく、堅 chow mein はパリパリしていてより水分が少ない。堅 chow mein はオニオンおよびセロリが入れられるか、または「素」chow mein として野菜なしで供されることもある。蒸し chow mein には、オニオン、セロリ、ニンジン、キャベツなど様々な野菜が用いられる。堅 chow mein には濃厚なブラウンソースをかけることが一般的だが、蒸し chow mein には醤油をかけることが多い。
米国の場合は、東海岸と西海岸で地域的な特性がある。東海岸では chow mein は必ず香港スタイルの堅 chow mein を指し、蒸し chow mein は "lo mein" と呼んで区別される。一方西海岸では、chow mein は必ず蒸し麺を指し、、堅い麺は存在しない。

[Canadian Chinese cuisine]
カナダにおける westernized された Chinese restaurant には 3種類の chow mein があるが、そのどれもがアメリカの 2タイプとは異なるものである。広東風 chow mein は油で揚げたパリパリの卵麺、ピーマン、えんどうまめ、チンゲンサイ、タケノコ、water chestnut、海老、焼豚、チキン、ビーフなどを用い、濃厚なソースで供する。
素 chow mein はもう一方の Western chow mein に似るが、はるかに多くのもやしを用い、レシピによっては半分がもやしになる。カナダにおいては香港風 chow mein は素 chow mein に近いが必ずパリパリに揚げた卵麺を下に敷いて供する。

ちょっとカナダの話は余計でしたが、アメリカでも東西で扱いが違い、カナダはカナダでまた違うのですか。こと chow mein に関してだけは東海岸にいて良かったと思った次第です。でも日本の堅焼きそばは恐らく東海岸の chow mein よりもカナダの広東スタイルに近いと思うので、それはそれで結構ウラヤマシイ。

ときに最近、こんな TVCM が盛んに流れています。

Nissin の Chow Mein なのですが、Maruchan の Yakisoba と同様、電子レンジでチンして作ります。CM の中で、加えた水分が麺をほぐして・・・みたいな説明が入っていますが、それじゃちっとも chow してないですよね。まあ日本のカップ焼きそば(こっちはお湯を注ぐバージョンですね)もちっとも焼かないのでいい勝負かも知れません。が、Chow Mein のカオスをさらに複雑にするのではないかと危惧しています。

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2009年11月 1日 (日)

Gyro

こちらに来てから、ギリシャ~トルコ~レバノン~ペルシャ(現イラン)~アフガニスタンあたりの料理にハマっています。筆者が在東京時によく参照していたページ 東京レストランサーチ によれば、「2009年2月現在、東京&関東全域では世界75ヶ国+68地方の料理が食べられます」ということにはなっています。が、同サイトに収載されている店は、東京都内で2009年11月1日現在

ギリシャ:6軒
レバノン:1軒
イラン:11軒
アフガニスタン:1軒

しかありません。トルコ料理店だけは20軒程度ありますが、他は「あるにはある」というレベルで、ハマるほど食べ歩けるほどの軒数とは言いがたい状況です。それがこちらにしばらく住むことが出来たおかげで、そこそこ食べ歩くことが出来ました。各国料理の詳細については専門の案内にゆずるとして、非常に大雑把な印象では、ギリシャ~トルコ~レバノン~ペルシャあたりは相互にかなり良く似ていて、どこも美味しいと思います。ケバブなどはこのどこでも見られますし、ムサカなどもそれに近いと思います。Hummus もこのあたりならどこででも食べることが出来ます。流石にアフガニスタンまで行くと、中東と言うよりはかなりインドに近いイメージになります。逆にギリシャは、西側をイオニア海沿いに西にアルバニア・モンテネグロ・クロアチア・スロベニアを経るだけでイタリアに達するという位置にあるのに、イタリア料理とは全く趣きが異なり、地理的にはヨーロッパに属しますが食文化的には中東に属していると考えた方が良さそうです。

実は昨日、前から気になっている Rockville のカジュアルな Greek restaurant に行って来たのですが、そこでその店のスペシャル platter を頼みました。メニューによると、

A large meaty variation featuring GYRO, PORK or CHICKEN SOUVLAKI, SOUJZOUKANI (greek meatball), 2 DOLMADAKIA (rice stuffed vineleaves), feta cheese & olives served on pita bread w/ onions, garnished w/ tomatoes & topped w/ our famous HOMEMADE TZATZIKI SAUCE

と書いてあります。これで $13.95。2人分のランチでちょうどいいサイズでした。何度か通わないとピンと来ないメニューだとは思いますが、dolmadakia だの souvlaki だの、tzatziki だのは極めて Greek(または mid eastern)な料理です。まあとにかく予想を裏切らずに美味だったのですが、一つ疑問だったのは "GYRO, PORK or CHICKEN SOUVLAKI" と書いてあることで、これはどう読むのか今でもちょっと分かりかねています。書いてある通り

"GYRO" または "PORK" または "CHICKEN SOUVLAKI"

と解釈すればよいのか、

"GYRO SOUVLAKI" または "PORK SOUVLAKI" または "CHICKEN SOUVLAKI"

と解釈すればよいのでしょうか。Souvlaki というのは要するに串焼きのことですが、この時点で筆者は gyro のことをピタパンを用いた greek sandwich と勘違いしていたので "gyro souvlaki" はあり得ず、前者だと思いました。が、そうだとしても "sandwith" または "pork" または "chicken souvlaki" ということになり、何だか変です。オーダーでは「3者のうちどれか一つ」ではなく3者の盛り合わせにしてもらいましたが、結局出てきたのは、gyro に相当するのは(多分)ラムでした。帰宅後 Wiki で gyro を調べてみたら、上に書いた通りピタパンを用いたサンドイッチというのは筆者の勘違いでした。

Gyros または gyro (一般的な発音は /ˈdʒaɪroʊ/, ギリシャ語の γύρος (giros) "turn" の意)とはギリシャ料理の一つで、肉・トマト・オニオンおよび tzatziki ソースからなり、ピタパンとともに供される。Gyro はまた同じ中身のサンドイッチとしても供される。

惜しい。サンドイッチではありませんが、かなり近かったようです。しかしやはり肉あるいは焼いた肉そのものを指すのではないようなので、上のメニューもまたちょっとおかしな表記のようです。

中東の shawarma およびメキシカンの tacos al pastor も類似の料理であり、どちらも19世紀に Bursa (トルコ北西の都市)で創作されたトルコ料理の döner kebab に由来する。
Gyro を作るためには、熱源(多くは電気ヒーター)の前に垂直に立てられた回転串に肉を刺す。肉が十分に脂を含んでいない場合には調理中に肉をジューシーかつパリパリに保つために脂肪片を加える。肉はパリっと焼きあがった最外部を垂直に薄くスライスして供する。通常オイルを塗り、軽く焙ったピタとともに供され、サラダやソースなどとともに巻いて食べる。この料理におけるマストアイテムは gyro およびピタだけであり、その他のあらゆる構成要素は食べる者の好きなようにしてよい。 注文時に "ap' óla" と言うと、「全部入り」を指す。

ここで注。「gyro およびピタのみがマストアイテム」という表記から、gyro が料理としての gyro の中の肉部分のみを指すこともあるようです。やっぱり店は間違っていなかった・・・?

米国において供される gyro は、通常挽き肉が用いられ、調理するために巨大な円錐状に押し固められる。ギリシャにおいても 1970年代までは挽き肉が持ちいられていたが、食中毒をきっかけに禁止され、現在は薄切り肉が用いられている。

[名称]
名称はギリシャ語の γύρος ("turn"の意)に由来し、さらにそれはトルコ語の döner kebab ("turning roast" の意訳)に由来する。従前はギリシャでも ντονέρ [don'er] と呼ばれていた。
ギリシャ語の発音は [ˈʝiros] であるが、英語では通例 /ˈdʒaɪroʊ(s)/ または /ˈɡɪəroʊ(s)/ と発音される。ギリシャ語の発音である /ˈjɪəroʊ(s)/ と発音されるためには、英語でのスペルは時に "yeeros", "yiros", または "year-o" 等と表記される。なお語尾の s はを省略するのは上腕二頭筋 biceps muscle を bicep muscle と記すのと同様、英語において散見される行き過ぎた誤訳である。

[起源]
Gyros はギリシャの都市 Thessaloniki の Toumba 地区に端を発する。起源については諸説あるが、1970年に最初に Thessaloniki に gyro をもたらしたのが "Giorgos" という人物で、当初 "gyrádiko" という名称であったとか、1950年代にコンスタンチノープル出身のシェフにより Piraeus で創作されたなどの説がある。

[米国での状況]
Gyros が米国にもたらされたのは 1965年から 1968年の間、シカゴにおいてである。
シカゴに最初に gyros を持ち込み、大量生産を開始したのは自分であるという人物が複数存在する。George Apostolou は、1965年に Parkview Restaurant において最初に gyros を提供したと主張している。1974年には、Apostolou は Central Gyros Wholesale と称する 3000平方sq の工場を開設した。Peter Parthenis は 1973年に Gyros Inc において大量生産を開始し、自分の方が先であると主張している。1968年には The Parhenon restaurant において、Chris Liakouras により垂直方式の gyros ロースターが発明され、gyros が客に無償サンプルとして配布されたため、gyros が人気を博し、それ以降全米に広がっていった。
Gyros の名称は American および Greek-American レストラン・店で一般に用いられている。中東系の店舗等では doner kebab および shawarma という語が用いられる。
米国では通常 gyros はラムまたはビーフおよびラムを用いる。チキン gyros も見られることがある。米国において gyros とともに供されるパンはギリシャの "plain" ピタに似ている。一般にはトマト、オニオン、tzatziki (時に  cucumberソース、yogurt ソース、ホワイトソースと呼ばれることもある)とともに供される。Tzatziki ソースの代わりにサワークリームを供する店もある。通例昼食か夕食で供される。
在米の多くのギリシャレストランではスライスした肉を垂直のロースターにセットして gyros を調理するが、特にファーストフードレストランなどでは、挽き肉を予め筒状に押し固めたものを用い、どちらも外側の焼けた部分を垂直にスライスして用いる。

ところで gyros は、当然単に焼いてトマト等とピタで食べるだけではなく、焼く前の味付けが決め手です。

[スパイスミックス]
典型的なスパイスミックスは、

塩  大さじ3
パプリカ  大さじ1
ホットパプリカ 小さじ1
ホワイトペッパー 小さじ1
ブラックペッパー 小さじ1
乾燥パセリ 大さじ1
ガーリックパウダー 小さじ2
乾燥オレガノ 大さじ1

であるが、これは基本ブレンドであり、好みの応じてシナモン、ナツメグ、クミン、アニス、コリアンダー、フェンネル、オールスパイスなどを加減する。スパイスミックスは良く混ぜ、密封容器で一晩寝かせる。調理前、スライス肉をブロイラーにセットする際にスパイスミックスをふりかける。望ましくはその状態で一晩冷蔵保存すると肉に良く味がなじむ。

これが多分ポイントなのですね。店によって当然味が違うのだと思いますが、どこで食べても結構美味しいと思います。またこれがトマト・オニオン・tzatziki ソースと良くマッチするのです。

ときに垂直の回転ロースターというのは文字で書くと良く分からないかも知れませんが、実際はこんなものです。

写真

こういうものが備え付けてある店を見かけることは珍しくありません。

ところで筆者は 1999年にパリを訪れたとき、セーヌ川を挟んでパリ警視庁の反対側にある安ホテルに泊まりました。そこからはやはりセーヌを挟んでノートルダム寺院も間近に見えました。地上からの眺めはこんな感じです。

ストリートビュー

夕食をとりにホテルの裏側、ソルボンヌ大学方面にほんの少しだけ行くと、いきなりこんな庶民的な路地に入り込みます。

ストリートビュー

そして、この両側に当時はびっしりと gyro の店が並んでいました。確か gyro ではなく kebab と称していたと思いますが。そうした店では、路地に面して gyro ロースターを設置してあり、口々に kebab はいかが、と怒鳴り散らしていたと思います。で、日本人と見ると、どういうわけだか「ヤマモト、ヤマザキ!」と怒鳴ります。山本さんは日本人でも多い苗字ですから(第7位だそうです)いいとしても、山崎さんは21位くらいだそうで、一体だれがそんなことを教えたんだか。
それはさておき、上のストリートビューの少し奥、左側に Gyros という看板が見えます。たまたまインターネット上でその店の正面写真がありました。

こんなのです。

Gyro ロースターが良く見えます。今この通りのストリートビューを見ると、あまりケバブ(シシカバブではなくドネルケバブ)店がびっしりという感じはしませんが、入れ替わってしまったのでしょうか。当時はケバブに興味がなかったのと、パリなんだから極力フレンチを食べようとしてケバブには見向きもしませんでしたが、こんなに美味しいものだとはこちらに来るまで知りませんでした。はたして東京にも同等のものがあるのでしょうか・・・

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2009年10月28日 (水)

Blue Plate Specials

しばらく前に、かなり長いこと気になっていた、ベセスダにある diner に行きました。その店のメニューはこんなのです。

Menu

何でこんなものを引っ張り出して来たかと言うと、この店に行ったとき、Blue Plate Specials というのがあったのを見て、一体なんだろうと思ったからです(pdfの5ページ目冒頭)。メインとサイド(野菜)が2点という組み合わせですが、メインは毎日日替わりになっています。具体的にはこんな感じです。

月曜:Grilled Chicken
火曜:T-Bone Steak
水曜:Crab Cake Platter
木曜&金曜:N.Y. Strip Steak
土曜:Grilled Salmon
日曜:Country Fried Steak

要は日替わり定食なんだろうと思ってはいたのですが、この店の場合 Daily Specials が別にありました(pdf の5ページ目下部)。

月曜:Ham & Cabbage / Macaroni & Groundbeef / Chef Surprise
火曜:Fried Chicken / Beef Stew / Veal Parmesan
水曜:Meatloaf with gravy / Chicken Parmesan / BBQ Spareribs / Chef Surprise
木曜:Swiss Steak / Baked Turkey with Dressing / Beef Tips over Noodles / Franks & Beans
金曜:Chicken & Dumplings / Spaghetti witgh meat sauce / Baked Fish / Macaroni & Cheese
土曜:Baked Turkey with Dressing / Meatloaf with gravy / Country Fried Steak / Chef Surprise
日曜:Baked Chicken / Grilled Onion Steak / Baked Pork Chops with Dressing / Chef Surprise

などとなっています。この店の場合、毎日3~4種類の日替わりになっているようです。で、上の Blue Plate と何が違うかと言うと、同じ日替わりでも後者は毎日いくつかの選択肢がある点と、好きなサイドを2種類選べる点です。残念ながら値段が書いてありませんが、後者の方が高いはずです。

この時は Blue Plate が何者か結局良く分かりませんでしたが、特別な名前をつけるくらいだから、Daily Special よりももっと special なんだろうなと思って帰って来ました。その後 Rockville にある別の diner でも Blue Plate という単語は見かけました。

そして、近々アトランタに行く予定にしているのですが、アトランタで評判の良いレストランはないかと調べていて、ジモティからお勧めとされているレストランも見つけました。そこは diner ではなく tea room と名乗っていますが、そこのメニューはこんなのです。

Lunch Menu

またしても Blue Plate Special があります(pdf 2ページ目左側中央)。ここでは単に Ask Your Server となっていて、たった1行だけです。Ask Your Server とはありますが、店員に聞かなくても多分店の入り口か店内の黒板に書いてあるでしょう。
流石に調べてみましょう。いつものとおり Wiki 英語版の抄訳です。ちなみにこの項目の日本語版はありません。

Blue-plate special

Blue-plate special または blue plate special とは、米国においてレストラン(特に diner や cafe で顕著)で用いられる用語で、特に低価格設定の食事を意味し、通常は日替わりである。"Meat and three"(アントレ1品および野菜3品)で構成されるのが一般的であり、多くの場合仕切りのある1枚の皿に盛られて供される。この用語は 1920年代から 1950年代にかけて非常に良く用いられていた。2007年現在でも blue-plate special をこの用語を用い、場合によっては青い皿にて供するレストラン・ダイナーは少数ながら存在するが、減少傾向にある。しかしながらこの用語自体は、日常会話の表現としては現在もまだ非常に一般的である。

[用語の歴史]

この用語の起源と説明ははっきりしていない。Kevin Reed は「大恐慌時代にあるメーカーが、食事の各部分ごとに区切った皿を作り始めたが、その皿の色として青色しか設定されていなかったからである」と述べている。Michael Quinion は、ある辞書によると blue plate は特に安価で区切られた皿を意味し、そしてその皿に青い柳またはそれに類する柄(Spode や Wedgwood がそうであるように)が描かれていたと指摘している。彼の書簡によると、この用語が最初に用いられたのは、1892年10月22日、Fred Harvey Company のレストランメニューにおいてであるとされ、blue-plate special は Harvey Houses の定番メニューであったとしている。

この用語は 1920年代に一般的になった。1926年5月27日、ニューヨークタイムズ紙に 141 West 45th St にある "The Famous Old Sea Grill Lobster and Chop House" の広告で "A La Carte All Hours", "Moderate Prices", and "Blue Plate Specials" とする広告が掲載された。1928年12月2日、価格の上昇により1ダイムで食事をすることが困難になったことを遺憾とする記事では、しかしまだ Ann Street にある店で「10年前と同様、ステーキとオニオンたっぷりのサンドイッチが1ダイムで食べられ、またアントレと野菜3品の "blue-plate special" も1クウォーターで食べられる」と記している。1934年には Damon Runyon が "Damon Runyon's Blue Plate Special" を刊行している。

"No substitutions"(客の好みに応じてカスタマイズすることを受け入れない)というのが blue-plate special では一般的である。Candid Microphone(往時の人気ラジオショウ)の 1947年のエピソードに、Allen Funt が blue-plate special で、野菜スープをコンソメに代えるなど色々な注文をつけたときに、ウェイターが "no substitution" の意味するところを丁寧に説明するのだが、いっこうに通じずだんだん不愉快になっていく場面がある。Graham Greene による "Our Man in Havana"(1958年)では、"American blue-plate lunch" について、次のような会話がある。

君は blue-plate が何のことだか知っているだろ? Blue-plate は、すでに皿に持ってあるもの ---ローストターキーとクランベリーソースとソーセージとニンジンそれにフレンチフライを一気に君の鼻下に突っ込むのさ。僕はフレンチフライが嫌いだが、blue-plate に選択肢はないのさ。選択肢がないんだよ、え? 出されたものを食えってことさ。民主主義はありがたいねえ。

ということで、単なる日替わり定食ではなく、客の選択肢を減らす代わりに、さらに安価に設定した日替わり定食のことなのでした。でも、日本で言う定食とは「定まった食事」なわけで、日本では通例選択肢はありませんし、カスタマイズする習慣もありません。
こちらでは客の好みに応じてカスタマイズするのは当たりまえ。例えばとある人気のハンバーガーチェーンでは、基本的なミートパティ・チーズ・ベーコンは別にして、次の中からトッピングを好きに選べます。

Mayo Relish, Onions, Lettuce, Pickles, Tomatoes, Grilled Onions, Grilled Mushrooms, Ketchup, Mustard,  Jalapeno Peppers, Green Peppers, A-1 Sauce, Bar-B-Q Sauce, Hot Sauce

それからミートパティ自体も焼き方を指定します。いったいどれだけのバラエティになるのでしょうか。コーヒーショップもしかりです。基本のコーヒーはともかくとして、フレーバーを、何をどれだけ入れるのか。またこちらではミルクと言っても fat free, reduced fat, whole milk とありますし。

ファーストフードやコーヒーショップではなく、普通のレストランに行けばもっと込み入った注文が出来ます(筆者はやりませんが) 上にラジオショウのエピソードが出てきますが、ただのステーキにしても焼き方を指定するのは当然として、ソースをどうするか、サイドはどうするか、これをウェイターと延々とやりとりします。「こういうのがいいんだけど」と客が言い、店がそれに応じられればそれで終わりですが、「いやウチでは出来ない」等となると、「じゃあ云々・・・」と、隣の席で聞いていても一体いつ注文取りが終わることやら、と思います。
おばあちゃんの誕生日などと言って親戚一同で集まった日には 20人のパーティとなることもあり、こうなると注文をとり終えるだけで1時間かかります。

こちらではかようにオーダーに時間がかかります。調理場でもいちいちオーダーシートを見て確認しながら調理していますのでファーストフードがファーストフードじゃありません。バーガーショップで受付札を渡されて10分待つなぞは普通です。この「何でもカスタマイズ文化」は一体どうやって発展してきたのか興味がありますが、Wiki の抄訳を見ただけでも、最低 100年くらいの歴史はありそうです。

Blue plate special、何かその店の signature 日替わりか何かなのかと思っていましたが、事実は少々異なるようです。

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2009年10月26日 (月)

Pot Sticker

たまにはラーメン&餃子が食べたくなるのは日本人としては仕方のないところだと思います。しかし、2008年頃までは現代風のこだわりラーメンは DC 界隈には存在しないと言ってよい状況でした。Rockville ~ Bethesda には数軒の Japanese restaurant がありますが、日本のラーメン専門店とは比較にならない内容です。何十年も前の日本でまだラーメン専門店がない頃、街の蕎麦屋や中華料理屋で出されていた昔ながらのラーメン、あるいは同じ頃のスキー場のゲレンデ食堂で出されていたラーメン、さらにあるいは当時一般的だったデパート上層階の「大食堂」で出されていたようなラーメンと思えば大体当たっています。

しかしこのことについて当地の Japanese restauran を悪く言うつもりは全くありません。限られた食材を使うしかなく、また需要も日本に比較すればケタ違いに低いはずで、特殊な食材をそんな少量だけ入手出来るルートなどあるはずもないからです。さらに言えば、客の大半が日本人以外というような店の場合は、味付けを日本人の嗜好に合わせていては商売が成り立ちません。そうした状況を考えもせず無神経に「まともなラーメンが食べられない」と嘆く当地在住の日本人は少なくないのですが、寧ろそうした Japanese restaurant について、逆境の中で良く頑張っていると思わなければならないものと思います。

かようなわけで筆者は最近出来たラーメン専門店1軒を除き、Japanese restaurant でラーメンを注文しません(そもそも Japanese restaurant に行くこと自体ほとんどありません)。ではどうしていたか。そもそも食べないようにしていたわけですが、Chinese restaurant に行った場合はついつい汁麺と餃子や春巻・焼売などをオーダーしてしまいます。例えそれが日本のラーメン・餃子等に似ていなくても、です。寧ろ日本人の舌に合わせた「日本風なんちゃって中華料理」ではなく、本場の味に近いものを期待してオーダーするわけです。

さて、本稿ではそのうち汁麺ではなく餃子について記します。

当地の Chinese restaurant で出てくる餃子は、日本のものよりも皮が厚く、サイズも大きめだと思います。でも味は日本の餃子とさほど大きく違わないとは思います。さてこの餃子ですが、Chinese restaurant のメニューには、通常「小菜」とか "appetizers" の部に掲載されています。日本人とてなまじ漢字が読めるものですから、漢字の部分を読み進んでいくと、「蒸餃」なるメニューが目に止まります。英語の説明を見ると、"steamed dumpling" とありますので、見ての通り「蒸し餃子」です。ああ餃子があるのね、と思いますが、日本人なら「焼き餃子」が食べたいところです。でもメニューには「焼餃」だとか「炒餃」だとかはありません。そもそも「餃」という文字が出てくるとすれば、これは店によりけりですが、「素菜餃」(vegitable dumpling)などがあるくらいです。仕方がないので「蒸餃」なるものを頼むと、ほぼ予想した通りのものが出てきます。

ですが、他の客のテーブルには、見るからに「焼き餃子」に見える皿が運ばれていったりします。あれ? メニューを見落としたかな、と思って再度メニューを点検しても、やはりそれらしきものは掲載されていません。まさか裏メニューにしちゃ随分沢山の人が食べてるじゃないの、と、かなり長い間不思議に思っていました。

その疑問が解けたのが、一体何の機会だったか忘れてしまいました。テレビのグルメ番組だったか、スーパーの店頭で餃子のデリを見かけたときだったか。こちらでは(本場中国ではどうか知りませんが)、日本で言う「焼き餃子」のことを「鍋貼」と表記します。そしてその英名は「鍋貼」の直訳である "pot sticker" です。

まず Wikipedia から適宜抜粋。

Jiǎozi (中国語)、gyōza (日本語)および pot sticker は中国、日本および東アジア以外、特に北米で良く知られた中国の dumpling である。※ dumpling に良く対応する日本語がないので dumpling は和訳しない。

[中国バージョン]
中国の jiaozi は、調理法によりいくつかのタイプに分かれる。
茹で dumpling; shuijiao、意味は "water dumplings" (水餃; pinyin: shuǐjiǎo).
蒸し dumpling; zhengjiao、意味は "steam-dumpling" (蒸餃; pinyin: zhēngjiǎo).
炒め dumpling; guotie、意味は "pan stick"、北米では "potstickers" として知られる (鍋貼; pinyin: guōtiē)、乾煎り dumpling とも呼ばれる(煎餃; pinyin: jiānjiǎo).

だそうで、茹でたり蒸したり乾煎りしたりする場合は「餃」の字を使うのに、焼き餃子(炒める)場合のみ「餃」の字を用いず「鍋貼」と書きます。おまけにこの場合だけ英名まであります。なお guotie は「鍋貼」の北京語の発音のようです。
ここからは日本語ウィキペディアからの抜粋です。

中国の華北で食べられる餃子は主食を兼ねたものが多く、皮は厚めにして湯に入れて茹でる食べ方の水餃子が主流であり、焼き餃子はあまり食べられない。もともと焼き餃子は残り物の餃子を焼いて食べるものであって、鍋貼(グオティエ、guōtiē)と呼ばれあまり上品な食べ物とは思われていない。日本で焼き餃子が主流になった背景には、終戦直後に満州地域に取り残された日本人が、残り物の餃子を焼いた物を中国人から分けてもらった事が起源であると言う説がある。専門店ではほぼ水餃子一択だが屋台などでは水を使わないことからメニューに採用されるところも多い。焼き餃子(鍋貼)はむしろ華南で点心の一種として出されることが多い。

と、ここまで調べてもどうして焼いた場合だけ「鍋貼」と言うのか、まだ良く分かりません。ネットを検索したら、こんなブログにあたりました。

劉さんの閑話 306、中国菜「鍋貼餃子」

焼き餃子つまり「鍋貼餃子」(guo tier jiao zi)はもともと宴会などで出された「水餃子」などが余ったとき、あたため直すのに「鍋に貼り付ける」様に焼きなおして食べたからである。

だそうで、まあ納得。

ところで餃子については、日中でかなり位置づけが異なるのだそうです。これはウィキ等からの引用ではなく、知人の知人が中国の人だそうで、そちらからの情報です。中国の人は、餃子の皮をすでに炭水化物と感じるようです。確かに日本の餃子の皮よりもぶ厚くて食べ応えがあるからかも知れません。そのため、餃子とともにライスを食べる習慣はないのだそうです。確かにこちらで鍋貼をオーダーしてもライスはついて来ません。そして、日本人が餃子ライスを(あるいは餃子とともにライスを)食べているのを見ると、とても奇異に感じるのだそうです。もしかしたらチャーハンをおかずにライスを食べているように見えているのかも知れません。
すぐ上で引用したブログには中国の餃子の皮が厚い理由も書いてありました。

ある時 Korean restaurant に行きました。こうした店ではメニューが写真付きであることが多いと思いますが、そこにどう見ても餃子に見えるものを発見。英文の説明では "homemade pan-fried beef & pork, vegitable dumpling" となっていてやっぱり餃子です。英語表記を見てみたら、mandoo でした。なお正確には Gun Mandoo と書いてあり、ハングルでは「군만두」でした。これってまさか・・・ と思って調べて見ると、再び Wiki から、

韓国料理では、マンドゥ(mandu、饅頭)と呼ばれる。韓国のマンドゥは詰め物、形、食感などにおいては中国の jiaozi や日本の gyoza に似るケースもあるが、寧ろモンゴルの buuz やトルコの mantı に似ている。

やっぱり饅頭(まんじゅう)ですか。ちなみに「군만두」とは「焼き饅頭」という意味になります。中が甘くない上に饅頭を焼く? むむ? と思って今度は日本語ウィキの饅頭(まんじゅう)を見てみると、

日本の饅頭の起源には2つの系統がある。(中略) 日本に定着した後、餡や皮の製法にさまざまな工夫が凝らされ、種々の饅頭が作られるようになった。

マーラーカオなど従来の饅頭(マントウ)を起源とした中華風の饅頭は、中華まんとして区別されている。なお、現在の中国でマントウといえば、中に餡も具も入っていない一種の蒸しパンである。中に具が入っているものは包子(パオズ bāozi)と呼ばれる。

確かにそうでした。中国の饅頭、Chinese restaurant で mantou と書いてあるのを見たような気がします。そして steamed bun などと書いてあったような。Taiwanese restaurant で、Taiwanese burger と訳された皿にはこれが使ってあったような。しかし日本語もかなり失礼ですね。中国のマントウがオリジナルなのに、それに似た和製「マントウ」をわざわざ「中華まん」などと称するとは。

いやいやしかし、日本の薯蕷饅頭-中華まん-餃子が中国・韓国を経由して遠い親戚であったとは。家系を辿るのもラクじゃありませんね。

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2009年10月24日 (土)

Sandwiches de Miga

去年、Rockville 市内で割と評判の良い Argentina レストランに行ったことがあります。そこで Washingtonian でもオススメメニューの一つであるサンドイッチを頼みました。頼む時に、ウェイトレスにどのくらい大きいのかと尋ねたところ、指でテーブルの上に三角形を書きながら、このくらいの大きさで、それが4枚と説明してくれたので、所謂アメリカンサイズの馬鹿でかいサンドイッチではないことは予想していたのですが出てきてびっくりしました。こんなのです。

サンドイッチの写真

目が点になりました。え、これ・・・ 日本のコンビニや駅の売店で売ってるミックスサンドじゃないの・・・?
中身はハム、トマト、ゆで卵、レタスなど。中身も全く日本のミックスサンドそのもの。使っているパンも、日本のサンドイッチ用の薄いパンで耳を除いた部分。大きさもまさに日本と同等。驚きつつも普通に食べましたが、どうしてここでこんなものが出てくるのか全く分かりませんでした。

ところが今日、Rockville で何か目新しいレストランはないかな~と思って Tripadvisor を調べていたら、Town Center の近くに新しいカフェが出来ていて、たった一人ですが絶賛投稿をしている人がいました。その人によると、

This is a cozy coffee shop with mouth-watering pastries (facturas and more), amazing cakes and the best tea sandwiches (sandwichitos de miga) in town!

だそうで、最近サンドイッチに凝っている身としては(そのうち記事を書きたいとは思っているのですが)、この "sandwichitos de miga" という単語を見逃すわけには行きません。まして best in town と書かれているわけですし。で、早速このメニューが何者かググって見ると案の定 Wikipedia がヒットしました。それによると、名称は

Sandwiches de miga

というようで、

Sandwiches de miga は、アルゼンチンでごく普通の料理で、ティータイムに供されるのが一般的である。1層または2層からなるサンドイッチで、耳のない薄くて白いパン(この部分を miga と呼ぶ)で作られる。具は肉のスライス(ハムが多いがそれ以外のこともある)、卵、チーズ、トマト、ピーマン、レタスなどで、場合によってはアスパラガス等他の野菜を用いることもある。マヨネーズは非常に重要な構成要素である。トーストして供されることも、そうでないこともある。
アルゼンチンでは1から自分で作るよりも、地元のベーカリーで買う方が一般的である。

だそうです。今改めて冒頭の Argentina レストランのメニュー上の名称を見てみたら、ちゃんと

Sandwichies de Miga Triples Surtidos

なっていて、その説明が

Tea sandwiches made with Argentine specialty crumb bread with assorted fillings

となっていました。Tea sandwich の意味をたった今ようやく理解しました。ティータイムに食べる軽いスナックで、クッキーなどの感覚でつまむものなのでしょう。それにしても日本とアルゼンチン、地球の真裏でこんなにも似たものがあるのにカナリ驚きました。どうしてなのでしょうか。そもそも日本のサンドイッチはどういうルーツがあるのか? と思います。日本語ウィキペディアを見てみると

正統サンドイッチ(サンドウィッチ伯が食していた当時のもの)は、具はキュウリのみで他には何もない。

という記載があったり、

「イギリス風の薄いサンドイッチ」

なる写真も掲載されています。とすると、日本のサンドイッチは比較的イギリス起源の原型を留めていると言えるかも知れません。
いっぽうアルゼンチンですが、こちらはスペイン系の文化が流入したと考えるのが自然だと思うのですが、そうするとスペインでどんなサンドイッチが主流なのか知る必要があります。調べるのが面倒なので勝手に想像しますが、流出先のアルゼンチンであのようなサンドイッチになっているということは、スペインのサンドイッチもイギリス風に近いものだろうということにしておきます。

逆にアメリカのサンドイッチが独特の発展を遂げたと考える方が実態に合っていそうです。欧米の朝食スタイルが、クロワッサンとコーヒーだけのコンチネンタルと、バッフェてんこ盛りのアメリカンという違いと同様、サンドイッチもとにかくボリューム満点になったと。

かねがね日本のサンドイッチに不満を持っていた自分としては、アメリカのサンドイッチがたいそう嬉しいのですが、日本の方が正統派なのかも知れませんね。でも日本のサンドイッチで好きなものも多少はあります。例えばカツサンド。だいたいからして日本のパン粉は海外で panko と呼ばれるほど特殊な breadcrumb なのですが、それを用いて揚げる cutlet は当然日本独特(似たものは Wiener Schnitzel とか Milanese などありますが)なわけで、さらにそれをサンド(それも所謂サンドイッチ用の食パンで)にするのは日本だけなのではないでしょうか。さらにそれを列車の中で食べたりすると非日常感があって好きです。

でも上に書いたとおり、所謂普通のミックスサンドは好きになれません。1970年代までは家庭で食べるピザと言えば冷凍の「ミックスピザ」でしたが、あれも好きになれませんでした。どちらも食べ応えがなくて味も素っ気無いというか構成が簡単すぎるというか。
つい先日、2007年にバーガーキングが日本再上陸を果たしていたことを知りました。Windows 7 とかいうミートパティ7枚重ねの特大バーガーはともかく、アメリカのバーガーは単に大きいだけではなく、実際に美味しいのです。いやマック等は論外として、いくつかあるメガチェーンの中ではバーガーキングが最もまともな味だと思います。まあこれを「ミックスサンド」と比較しても仕方ないのですが、カツサンドなどを作り出した素地はあるのですから、日本のサンドイッチもどんどん進化することを期待します。

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2009年10月17日 (土)

Chicken Maryland

さきほど twitter を見ていたら、"Just ate Chicken Maryland" という tweet を見ました。ん、Chicken Maryland って聞いたことがあるけれども一体何だっけな~、と思って改めて調べてみました。いつものとおり Wikipedia です。

Chicken Maryland または Maryland Chicken とはメリーランド州に因む伝統的な料理である。基本的にはフライドチキンにクリームグレービーを添えたものである。
メリーランドの多くの家庭はこの料理に関して独自のレシピを持っている。商業的バージョンは、メリーランドの養鶏産業の中心地である、メリーランド東部にある English's Family Restaurant から発売されている。

Maryland fried chicken が他の南部のフライドチキンと異なるのは、第一にチキンを数インチの深さの油またはショートニングで揚げるのではなく、フライパン(伝統的には鋳鉄を用いる)でパンフライし、表面に焼き色をつけた後は蓋をして弱火にしてじっくり調理する点にある。

次にフライパン上の肉汁にミルクまたはクリームを加え、ホワイトクリームグレービーとすうる点が次の特色である。

Escoffier の著した "Ma Cuisine" の中に"Chicken a la Maryland" というレシピがあるが、その他には標準的とされるレシピはない。チキンはバターミルクでマリネされることが多い。卵を用いるかバターミルクを用いるか、また小麦粉の味付け等でパン粉の使い方は異なり、クリームグレービーの味付けのバリエーションも広い。 しかしグレービーがこのレシピの最大の特徴であることにはかわりがない。

だそうです。では具体的に Chicken Maryland のレシピを見てみましょう。

http://www.chickenmaryland.com/home.htm

Classic Chicken Maryland with Gravy recipe
 
Ingredients

2 chicken thighs, wings or breasts
1 cup cold milk
1 teaspoon salt
1/2 teaspoon pepper, black
1/2 teaspoon dried thyme, or oregano, or sweet basil, or all three
1/4 teaspoon paprika, if available
2 cups flour
2 tablespoons butter

Gravy Ingredients

Some chicken giblets
1 clove garlic, minced
1 medium onion, minced
1/2 cup chicken stock
1/2 cup milk

Sides

Corn on the cob, mash potatoes, fried bacon slices

Cooking Directions

(Part A) Cooking the chicken
1. Mix the flour with salt, pepper, thyme (and/or orgeano, basil), paprika in a bowl
2. Dip the chicken thighs, wings or breasts into the cold milk.
3. Remove from milk and cover with the flour mixture.
4. Heat a pan using medium-high heat, and add the butter to the pan.
5. Fry the chicken pieces until golden on both sides.
6. Then reduce to a very low heat, and let the chicken cook through. Turn it over once.

(Part B) Making the gravy
7. Heat a pan to medium heat, adding in butter.
8. Add in chicken giblets, garlic, onion.
9. Fry for 30 seconds or so to develop the flavor of the onion and get the juices out of the giblets.
10. Add milk and chicken stock, and bring to boil.
11. Then simmer for a few minutes.
12. Strain, and pour over the chicken when ready to serve.

Add sides like corn on the cob, mash potates and bacon slices for a full meal.

Serves: 1 (for more people, just multiply the recipe by the number of people you want to serve)

面倒なので訳しません。Wikipedia の説明では、グレービーの元になる肉汁をどうやって回収するのか良く分かりませんでしたが、このレシピでは別に giblets を炒めることで得ています。ここで giblets を使うのが極めて注意を引きます。Giblets とは、砂肝とハツのことです。スーパーマーケットに行くと、必ず giblets を売っているのですが、一体だれがそんなもの使うのかと常々疑問に思っていました。これ、何回か醤油味で煮物にしたことがありますが、どうしても美味しくならないのです。

なるほど、もしかしたらみなさん Chicken Maryland の材料にしているのかも知れません。が、グレービーの元にするだけなら、何もあんな大量の単位で売らなくてもいいじゃないかと言いたくなりますが。ま、こちらの一軒家の冷凍庫はバカでかいですから(バックヤードの軒下に設置してあります)そこに放り込んで置くのかも知れません。

昨日は揚げないフライドチキンを作った積もりだったのですが、無意識に「味付け小麦粉→卵→パン粉」と衣をつけたために、気がつけば「揚げないチキンカツ」になっていました。では、今度はちゃんと「ミルクまたはバターミルク→味付け小麦粉」として、さらにパンフライせずにオーブンへ直行という方式にしてみようかと思います。上のサイトでも "Baked Chicken Maryland (healthier option) recipe" へのリンクがあります。

ただ、上のレシピのグレービー、かなりサラサラに仕上がるような気がするのですよね。何かこう、少しトロミが欲しいように思うのですが、少し小麦粉を入れちゃおうかな。入れ過ぎると当然もったりと食感も重くなるので要注意ですが。最近良くお世話になっている Campbells の Cream of Mushroom なんぞを使ってもいいかと。ま、その辺りはその時のインスピレーションで適当にします。

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2009年10月15日 (木)

Bak Kut Teh - My Style

前のエントリーで肉骨茶と参鶏湯のことを書きました。で、参鶏湯の方は漢方ふうに言えば・・・と書いたのですが、なぜか肉骨茶を漢方ふうに言うとどうなるのか、あんまり考えたことがありませんでした。5年以上前、頻繁に東南アジアに出張していた頃、行くたびに「肉骨茶セット」(こんなのです)を買って帰り、大事に使っていたのですが、生薬を自分で組み合わせれば出来るはずだということに、つい先日まで気づきませんでした。参鶏湯の生薬は自分で揃えてもいいと思ったのに肉骨茶の生薬を揃えようと思わなかったのはなぜでしょうか。製品によって処方が違う点と、構成生薬が結構多いと思っていた点だろうと思います。肉骨茶セットの構成生薬はパッケージの裏面に書いてあり、上の製品がどんな構成生薬だったか記憶していないのですが、党参とか玉竹とか、日本漢方ではあまり使わないものが入ってたように記憶していますので、これを見た段階でメゲたという側面も大きいです。
一方こちらに来てしまうと、東南アジア系の華僑だか台湾だか香港だか中国本土だか、Chinese 社会は本当にごたまぜになっているためか、中華マーケットに行くとまさに上の「肉骨茶セット」そのものを買うことが出来ます。なおさら自分で揃える気にはなりません。

しかし、日本に戻った後のことを考えると、日本ではなかなか入手できそうもないので少し研究しておいた方が良さそうだと思い、気を取り直して調べてみました。
まず「肉骨茶 レシピ」等でググると、少ないながらも若干ヒットしました。昔はこんな書き込みはなかったと思うのですが、肉骨茶がだんだん日本でも人気が出てきたということなんでしょうか。

例えばこれ。

http://allabout.co.jp/gourmet/stylishrecipe/closeup/CU20081119A/index2.htm

ポークリブ(スペアリブ用の骨付き豚肉) 600g
豚もも肉の塊(ヒレ肉の塊でも可) 400g
にんにく 1個
シナモンスティック 1本 
スターアニス 5個
クローブ 10粒
黒こしょう粒 大さじ2
チンピ(陳皮) 2、3切れ
薄口しょうゆ 1/2カップ
砂糖1/4カップと濃口しょうゆ1/4カップを10分ほど煮詰めたもの
(味をみて)塩、粗挽き黒こしょう 適宜

以下、肉、水、醤油、塩コショウ、にんにく以外の生薬部分について日本の生薬名に直して記します。
このレシピで用いている生薬は、

桂皮、八角、丁字、陳皮

ということになります。結構あっさりした肉骨茶になりそうです。
ところが恵比寿の「新東記」なる店の記事(ブログ)を見つけました。

http://mareemonte.exblog.jp/4113364/

この記事によると、

こちらの店の肉骨茶は 18種類の漢方薬をベースに豚の骨付き肉を煮込んだもの。使われている漢方薬は枸杞、玉竹、熟地、肉桂、八角、甘草、当帰、桂皮、陳皮、丁字、棗、川弓(本当は草かんむりに下が弓です)など

だそうで、失礼ながら改めて書き出すと、

枸杞子、玉竹、熟地黄、肉桂、八角、甘草、当帰、桂皮、陳皮、丁字、大棗、川芎、およびその他の6生薬

ということになります。記事の中で、オーナーの方が

バクテーは白スープと黒スープとあるんです。シンガポールは白スープが多くてマレーシアは黒スープが多いんですよ

と言われていますが、私の経験でもマレーの方が色・味ともに濃く、シンガの方はその逆でした。ということで、勝手ながら上の allabout のレシピがシンガのもので、新東記のレシピがマレーに近いような印象を直感的に持ちました。でも新東記はシンガポール料理のお店なのですよね。
ちなみにこの新東記というレストラン、どうして知らなかったのかと思ったら、この 10月で4周年ということは 2005年10月の開業ですね。筆者が日本を離れる半年前に出来たばかりだったのですね。帰国したら行ってみよう。ちなみに今年の春に帰国した同僚が、「上司に恵比寿の東南アジア料理店に連れて行ってもらい、肉骨茶を食べた。Bethesda で食べたものよりも美味しかった」と言っていましたが、きっとこの店のことを言っているのでしょう。
さて、さらにオーナーの方の説明によると、

肉骨茶(バクテー)はもともと港で働く男達の朝の食べ物だったらしいです。港で働く男達は昼御飯は食べられなかった。だから朝をしっかり食べてスタミナを維持しなければならなかったんです。それで男達は肉の入ったスープに漢方薬を入れはじめた。でも漢方はこわいでしょ?組み合わせで違う力も出ちゃうからね。それで福建の漢方医と潮州の漢方医がそれじゃ駄目だ、と立ちあがったんです。で、こっちの医者はこの処方では3時までしかもたない、私の処方なら5時までもつ、とか私のだったら朝までもつ、とか自分達の処方こそ一番!と譲らなかったんだって。それで潮州風と福建風が出来たと私は習いました。

なるほど。過去の経緯はともかく、地方により、人により処方が違うということですね。上でメーカーによって処方が違うと言いましたが、それで良いようです。ということは! 自分でオリジナルを作ってもいいわけですね。自分の好みや体調に合わせて作ったっていいわけですね。あるいは既成のエキス製剤を使ってもいいわけですね。これは面白い。ちょっとやる気が出てきました。
でもその前に、もっと調べてみましょう。日本語ベースでの検索では限界があるのと、英語だとしても単純に Google や Yahoo! で調べただけではなかなかヒットしないので、Yahoo! Singapore で調べてみました。そうしたところ、いくつか発見できました。

http://kuali.com/recipes/viewrecipe.asp?r=1235

1kg pork ribs or chicken meat
2 1/2 litres water
2 whole bulbs garlic, do not peel
20g Tong Sum
12g Tong Kwai slices
10g Chuin Kung
20g Sook Tei
25g Kei Chee
15g Yoke Chok
3 pieces Kam Choe

Wrap in muslin cloth and tie up:
1 tsp white peppercorns
1 tsp black peppercorns
1 tsp anise pepper or Szechuan pepper
1/2 tsp fennel seeds
1/2 tsp cumin seeds
3 cloves
1 star anise
4cm piece cinnamon stick

Seasoning:
1 1/2 tsp salt or to taste
1 tsp monosodium glutamate
3 tbsp light soy sauce

シンガではなくマレーシアの Amy Beh という有名シェフのレシピのようです。用いる生薬としては、

党参、当帰、川芎、熟地黄、枸杞子、玉竹、秦艽、花椒、茴香、小茴香、丁字、八角、桂皮

ということになります。構成生薬の数と種類としてはなかなかいいセンです。ところでブーケガルニにせず原体のまま肉と一緒に煮込む方の生薬の名前ですが、どうやら広東語読みらしく、当初なかなか調べられませんでした。どうしようかと思いましたが、こんなサイト

http://forums.egullet.org/index.php?/topic/77426-bak-kut-teh/

の中、2007年10月3日の "Tepee" なる人物の書き込みがあったので北京語(ピンイン)に変換することが出来、ようやく日本語の生薬名が分かりました。ついでに肉骨茶のレシピを調べているのは筆者だけでないことも分かりました。それと、"Tepee" の書き込みに出てくる生薬は Amy Beh の生薬リスト前半と同一なので、"Tepee" はそれを参照しているものと思われます。

さて次のサイトです。

http://rasamalaysia.com/recipe-bak-kut-teh-pork-bone-tea/

サイトはとても綺麗なのですが、ここで明示されているのは

当帰、桂皮、八角

のみです。本当にこれだけでいいのでしょうか。次。

http://www.deliciousasianfood.com/2007/12/11/bak-kut-teh/

Cordyceps 5%
Giyrrhizae 5%
Pepper 10%
Radix Rehmanmae 10%
Fructus anisi stellati 10%
Ramulus cinnamon 10%
Codonopsis pilosuiae 10%
Radix astragali 10%
Angelica sinensis 30%

生薬としては、

冬虫夏草、甘草、地黄、八角、桂皮、党参、黄耆、当帰

だそうで、所謂「人耆剤」です(人参ではなく党参ですが)。おまけに冬虫夏草まで使うので、かなり元気が出そうですね。でもちょっと冬虫夏草は敬遠しておこうかな。次。

http://www.malaysianfood.net/recipes/recipebakkutteh.htm

1 1/2 lb country-style pork spareribs, cut into 2-inch pieces
1 whole bulb garlic, unpeeled, slightly crushed
2-inch ginseng root, peeled, slightly crushed
3 cinnamon sticks
5 star anise
1 tbsp white peppercorns
1 tbsp black peppercorns
2 tsp sugar
1 tbsp dark soy sauce
6 dried shitake mushrooms
6 shallots, finely sliced and fried golden brown [optional]
salt and pepper

とてもシンプルに

人参、桂皮、八角

だけです。次。

http://www.recipeplace.com/recipes/11121/

1lb 6oz (625g) pork spare rib or belly pork, chopped into small pieces
1/2 teaspoon pepper
1/2 teaspoon salt
3 tablespoons lard
1 tablespoon caster sugar
2 cloves of garlic, crushed
1 teaspoon preserved brown soya beans, crushed
1 star anise
1 piece cinnamon bark
1 teaspoon black peppercorns
1 teaspoon szechuan peppercorns
1 teaspoon salt
1 chicken stock cube
2 tablespoons dark soy sauce
2 tablespoons oyster sauce
3 pints boiling water
light soy to taste

これまたシンプルに、

八角、桂皮、花椒

だけです。別のサイト

http://www.cdkitchen.com/recipes/recs/20/Bak_Kut_Teh_Chinese_Soup50229.shtml

は、肉の分量が微妙に違う以外は上のレシピと同一でした。

まあこれだけヒントがあればもういいでしょう。参鶏湯用に花旗参、大棗、枸杞子を買ったのでこれをベースにマコーミックのスパイス類を tea bag に詰めて使えばいいでしょう。例えばフェンネル、クミン、シナモン、クローブなどを使えば、茴香、小茴香、桂皮、丁字を使ったことになるし、コリアンダーを使えば香菜の代わりになりませんかね。当帰、川芎などは是非加えたいところですがマコーミックには代替品がないので別途購入するか・・・ 四物湯を使うと地黄までカバーできる代わりに芍薬が余りますね。
花椒もかなり魅力的な食材ですがなかなか代用が利きませんね。これも買うしかないか・・・ ま、麻婆豆腐にも使えますしね。玉竹は現地では頻用されているようですが日本ではあまりなじみがなく、これはちょっと難しいかも。色々いじってみる価値はありそうです。
ま、筆者は中医でも漢方医でもないので薬効上の理論の裏づけは全くありません。そもそも人参を花旗参で代用しようというくらいですから。おいしければいい、それだけです。

それに、肉骨茶の味を左右するのは生薬ばかりではありません。醤油、オイスターソース、シイタケ、豆腐/油揚げ/湯葉など食材各種をどう選ぶか。豚そのものもしかり。品種、飼育環境、使用部位、調理法。そうそう、つけダレがまた美味なんでした。濃い目の醤油に、鷹の爪を刻んだようなものをパラリと散らして使います。

・・・でもあんまり入れ込み過ぎるのはやめましょう。だって本来はこんな感じで食べるんですよ。

http://en.petitchef.com/recipes/teluk-pulai-bak-kut-teh-klang-fid-332207

現地の味は現地で食べるのが一番おいしいのは言うまでもありません。だから、ウチで作ってウチで食べるからおいしいレシピを目指さないと。
それにしても肉骨茶を記事にしたのはこれで何度目でしょうか。フードブログではなく肉骨茶ブログになりかかってないか・・・?

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